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多剤耐性肺結核治療薬“ベダキリン錠”の半減期は5.5ヶ月 [結核治療薬]

多剤耐性肺結核治療薬“ベダキリン錠”の半減期は5.5ヶ月

ヤンセンファーマは多剤耐性肺結核薬“ベダキリン錠”を2017年4月25日に国内申請しました。ATP合成酵素阻害剤というこれまでにない薬理作用のため結核菌に対して強い殺菌活性が報告されており、世界40カ国以上で使用されています(海外での製品名はSIRTURO)。

ベダキリン錠は “半減期(half-life)が5.5ヶ月“という特徴がある薬です。ベダキリン錠は腎臓からはほとんど排泄されず、主に糞便中から排泄されるのですが、末梢組織に取り込まれたベダキリンおよびその代謝物は時間をかけて徐々にリリースされるという特徴があるため、排泄に時間がかかる(半減期が長くなる)製剤となっています。
ベダキリン錠(SIRTURO錠)の添付文書




ベダキリン錠を国内申請(ヤンセン)
さて、多剤耐性肺結核治療薬としてベダキリン錠を使用する際は、単剤ではなく3剤(ベダキリンと併せて4剤)または4剤(ベダキリンと併せて5剤)と併用することとなっています。ベダキリン錠を単剤で使用すると耐性菌が生じてしまう可能性があるため、それを回避するために複数の結核治療薬と併用するルールとなっています。

ベダキリン錠の服用方法は1日1回400mgを2週間服用し、その後は200mgを週3回、22週間食後に服用するというものです(海外の添付文書より)。トータル6ヶ月間(24週間)服用します。服用後の半減期は5.5ヶ月ですので、6ヶ月間ベダキリン錠を飲み終えた後も血中にはベダキリン錠およびその代謝物が長期間、蓄えられている状態となります。
ベダキリン錠(SIRTURO錠)の添付文書




超多剤耐性結核との戦いに関する計画

ベダキリン錠を6ヶ月間飲み終えた後も、体内に残っているベダキリン錠に対する耐性菌を作らせないために、抗結核薬3剤または4剤は引き続き服用を続ける必要があります。

ベダキリン錠の添付文書には“ベダキリン錠による24週間の治療が終了した後も、患者は18~24ヶ月の全治療期間を終えるまで他剤(3剤または4剤)を継続服用すること、または陰性が確認された後12ヶ月は他剤(3剤または4剤)を継続服用すること”とされています。

一般的にですが、毎日服用して定常状態に達している薬を中止した場合、その薬が完全に体外へ排出されるまでの時間は
“半減期 × 3または4”と考えられています。

24週間服用して定常状態に達しているベダキリン錠を中止した場合も同様の式をあてはめると
5.5ヶ月 × 3または4 =16.5ヶ月(1年4.5ヶ月)または22ヶ月(1年10ヶ月)
となります。

全治療期間を24ヶ月とすると6ヶ月間ベダキリン錠を服用して、その後18ヶ月かけてベダキリン錠を排泄しながら治療および耐性菌対策として他剤の服用を続けるという治療が添付文書の意図となります。

ベダキリン錠を使用する際の注意点は
・プラセボ試験の死亡リスクが2.5%であるのに対し、ベダキリン錠の死亡リスクは11.4%となっていますので、他に効果的な治療方法が無い場合のみベダキリン錠を使用してください

・ベダキリン錠はQT延長をきたす可能性があります。QT間隔を延長する薬剤との併用によりQT延長を引き起こすことがあります。
ベダキリン錠(SIRTURO錠)の添付文書




超多剤耐性結核との戦いに関する計画

QT延長する薬剤には、
リスモダン、アミサリン、アンカロン、ソタコール、ベプリコールなどの抗不整脈薬、
エリスロシン、クラリス、などのマクロライド系抗生剤
トリプタノール、セレネース、コントミン、などの向精神薬
があります。

2017年4月25日に国内申請されましたので、今後の動向に注目です。


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