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疑義解釈その13:注射剤1バイアルを2名に同時に調剤した場合は2バイアル分を請求できない(平成29年7月28日) [疑義解釈]

疑義解釈その13:注射剤1バイアルを2名に同時に調剤した場合は2バイアル分を請求できない(平成29年7月28日)

平成29年7月28日、厚生労働省保険局医療課から疑義解釈資料(その13)が公開されました。
疑義解釈(その13)




注射剤の残薬問題
疑義解釈その13の中で“注射剤の薬剤料の請求方法について”具体的な解釈がなされました。


注射剤の中には、体重換算等に基づく用量が設定されているものがあり、一つのバイアルを二名の患者に同時に調剤して使用する場合があるが、どのように保険請求すべきか。

それぞれの患者に対する使用量に応じて請求し、二バイアル分は請求できない。

1バイアルを2人に投与と言われてイメージするのは、インフルエンザワクチン1mlを大人2人に0.5mlずつ投与する予防接種です。しかし、インフルエンザワクチンの予防接種は保険請求ではなく自費診療ですので、患者負担額は病院が設定します。そのため今回の話題とは関係ありません。

注射剤の残薬は、体重換算により用量が設定された抗がん剤の残薬をターゲットとして解釈がなされました。

2014年の報告ですが、15剤の抗がん剤について、全国の約400施設へ総廃棄量金額を調査したデータでは1か月で7億8千万円が捨てられていることが報告されています。

上記報告では、特に廃棄率が約37%と群を抜いて高かったベルケイド注射用3mg(薬価:137409円)を例として紹介されているのですが、体表面積から換算すると

ベルケイド注射用3mgは身長195cm、体重95kgのヒトが使用する量

となります。日本国民の年代ごとの平均身長・体重は
60~64歳:身長166.5cm(153.5cm)、体重65.kg(53.5kg)
70~74歳:身長163.3cm(149.9cm)、体重62.4kg(51.8kg)
80歳以上:身長159.8cm(145.3cm)、体重58.7kg(47.3kg)

ベルケイド注射用の販売規格は“3mgのみ”ですので、195cm、97kgの患者様より小柄な方へ投与する場合は、確実に残薬が生じます。
疑義解釈(その13)




注射剤の残薬問題

疑義解釈その13(注射剤の残薬)は上記のような高額な注射剤の廃棄を減らす目的で制度化されたことが示唆されます。しかし、実際の医療現場では院内ルールで定められたミキシング方法があり、さらにミキシングスタッフの裁量もありますので、“1バイアルで2名分調剤できた事例”がどれほどあるかは疑問です。

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