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ベンンゾジアゼピン系の睡眠薬と寝返りの回数について [睡眠薬]

ベンンゾジアゼピン系の睡眠薬と寝返りの回数について

先日、患者様から
「ネルボンという睡眠薬を飲むと、眠りが深くなって寝返りの回数が減るのかい?」という質問を受けました。

患者様から詳しく話を伺うと、TVを見ていて「寝返りをすると、筋肉がほぐれるので起床時の筋肉のこわばりが軽減する」という放送を見たということでした。このTVを見たあと、患者様は「もしかしたら睡眠薬を飲むと寝返りの回数が減って、起床時の筋肉がこわばるのではないか?」と発想したようです。
REM睡眠、NREM睡眠と寝返り動作






REM睡眠状態時は寝返りが多く発生する報告
上記案件にお答えするために、ベンゾジアゼピン系などの各種睡眠薬を服用すると寝返り回数にどのような影響があるのかについて調べてみました。

〜寝返りについて〜
寝返りの回数は個人差が大きいのでなんとも言えないのですが、夜間睡眠時間中の一般的な寝返りの平均回数は6〜38回(平均睡眠時間6.2±1時間)であり、1時間あたりの寝返り回数は3.9±1.6という報告がありました。

次に、寝返りを行うタイミングについて調べてみたのですが、サンプル数が非常に小さいため一般的な見地を得ることはできませんでした。睡眠時の脳内波形を検出しながら、寝返り(体動)を計測する装置の開発と、その臨床データは2010年以降に少しずつ報告が上がっている感じでした。技術の発達と共に今後少しずつ増えるのかもしれません。

私の調べた報告例の臨床データは
・REM睡眠中の寝返り率:68%(被験者1名)
・ REM睡眠中に寝返り回数が多い(被験者1名)
・ ノンレム睡眠からレム睡眠への移行時期及びレム睡眠からノンレム睡眠への移行時期に寝返りが発生する(被験者数不明)
という3報告だけでした。
REM睡眠、NREM睡眠と寝返り動作






REM睡眠状態時は寝返りが多く発生する報告

一般的な睡眠時間のうちわけを確認してみると、レム睡眠が25%、ノンレム睡眠が75%(睡眠段階1が5%、睡眠段階2が50%、睡眠段階3及び4の徐波睡眠(深い睡眠)が20%)であることがわかりました。上記の3報告の症例に関しては、総睡眠時間のうちのレム睡眠(25%)の間に比較的寝返りが多いという症例と考えることができるかもしれません。

次に、代表的なベンゾジアゼピン系睡眠薬のインタビューフォームにレム睡眠及びノンレム睡眠(睡眠段階・徐波睡眠)に関する記述を確認してみました。

ハルシオン:REM睡眠、徐波睡眠への影響が少ない

レンドルミン:徐波睡眠、REM睡眠への影響はほとんど認められない

アモバン:深い眠り(徐波睡眠:ステージ3と4)を増加させる。レム睡眠に対する影響は少ない

マイスリー:REM、ステージ2には影響を及ぼさず、ステージ3と4(徐波睡眠)を増加させた。

ベンザリン・ネルボン:REMとステージ3及び4(徐波睡眠)を減少させ、ステージ2を増加させた

ユーロジン:REMの軽度減少、ステージ1減少、ステージ3と4への影響なし。ステージ2増加
ロヒプノール:REMとステージ3及び4が減少、ステージ2が増加

ドラール:REMとステージ3及び4が減少、ステージ2が増加

ロゼレム:ステージ1を微増(3%未満)、ステージ3及び4を微減(3%未満)、REM影響なし。総じて睡眠構築への影響は小さい

ベルソムラ:睡眠期前半の徐波活動も後半のレム睡眠時間も延長させなかった

上記睡眠薬のレム睡眠及びノンレム睡眠(ステージ1〜4)への影響を確認してみると、ハルシオン・レンドルミンなどの短時間型睡眠薬はレム・ノンレムへの影響が少ないことがわかりました。一方で、ベンザリンユーロジンなどの中間型、ドラールなどの長時間型の睡眠薬はレム睡眠を減少させ、ノンレム睡眠の中のステージ2を増加させることがわかりました。
REM睡眠、NREM睡眠と寝返り動作






REM睡眠状態時は寝返りが多く発生する報告

ここからは私の推測です。

最初に記しました寝返りの3症例の報告(レム睡眠及びレムからノンレムへの移行時期にて寝返りが多い)という報告が正しいと仮定した場合、中時間型及び長時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬を服用すると、ノンレム睡眠のステージ2が増加する反面、寝返りを行う時間(REM及びステージ1、ステージ4)が短くなりますので、寝返りの回数が減少する可能性が示唆されます。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の効果は個人差が大きいため、一般的な表現をすることはできませんが、データ上の推測としては中間型及び長時間型ベンゾジアゼピン系睡眠薬を服用すると寝返りを行う時間が短縮されるため、その回数が減少する可能性が推測されました。


今後、睡眠時無呼吸症候群などの検査装置の発展に伴い、睡眠状況の詳細なデータが豊富に報告されれば、「睡眠薬と寝返り」に関する報告が上がるかもしれません。この辺りは臨床工学という分野になるのかもしれません。

睡眠薬が原因かどうかはわかりませんが、起床時の体の痛みが軽減する方法が見つかればいいなぁと思います。




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