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新規アルツハイマー病治療薬「BACE阻害剤」の進展状況について [認知症]

新規アルツハイマー病治療薬「BACE阻害剤」の進展状況について

次世代アルツハイマー病治療薬として臨床試験が進んでいる「BACE阻害剤(βセクレターゼ切断酵素阻害剤)につての治験状況報道に進展がありました。

2016年4月にリリー/アストラゼネカ(AZD3293)、2016年8月にエーザイ(E2609)で第Ⅲ相試験の開始が発表されました。

BACE阻害剤とは
ヒトアミロイド前駆体タンパク質切断酵素(BACE:β-siteofAPPcleavingenzyme)阻害剤の略です。

アルツハイマー型認知症の進行は、脳内にアミロイドβペプチドを主因とするアミロイド繊維の沈着により生じる疾患と考えられています。アミロイドβペプチドの前駆体(もとになる物質)は、1回膜貫通型のタンパクとして存在します。1回膜貫通型のタンパクとは、細胞膜に1本のタンパク質が突き刺さったような状態です。頭皮から髪の毛が1本生えているようなイメージといいますか、チンアナゴが砂から顔をだしているようなイメージを想像してもいいかもしれません

細胞膜に刺さっている1本の前駆体タンパク質の頭側とおしり側をはさみでカットすると、アルツハイマー病の原因物質であるβアミロイドペプチドができます。ここでいう、頭側をカットするハサミをβセクレターゼ、おしり側(膜に埋まっている側)をカットするハサミをγセクレターゼと呼びます。

上記より、βセクレターゼまたはγセクレターゼを阻害すればβアミロイドペプチドの蓄積を抑えることができます。γセクレターゼは細胞の分化・発生に深く関与しているため、それを阻害することは好ましくないという見解があるようです。そこでβセクレターゼを阻害することでβアミロイドペプチドの合成を抑える研究が進んでいます。

BACE阻害剤の治験データを確認してみます。エーザイの「E2609」を25~400mg/日の範囲で服用した50名の健康成人を対象としたプラセボとの二重盲検データでは、血中のβアミロイドタンパク質が「E2609」の服用量に依存して減少していることが示されています。
「E2609」服用量→βアミロイド減少率
25mg/日→46.2%
50mg/日→61.9%
100mg/日→73.8%
200mg/日→79.9%
エーザイ「E2609」の治験データ




BACE阻害剤とは
報告内容によると、200mgまでの投与量において重大な安全性に関する懸念は認められていないと記されています。

第Ⅲ相試験が開始されば、作用・副作用を含めてより臨床に即したデータが公開されると思われますので興味深いところです。

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