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授乳婦と抗ヒスタミン剤について [授乳婦]

授乳婦と抗ヒスタミン剤について

一般的に授乳婦に対して抗ヒスタミン剤が処方されるケースは少ないように感じます。抗ヒスタミン剤の添付文書を確認しても授乳婦に対しては「投与しない」または「投与中は授乳中止」と記してあります。そこで授乳婦に対する抗ヒスタミン剤の使用実績について調べてみました。

1985年の報告によりますと、ヒベルナ(プロメタジン)、ポララミン/ネオマレルミン(クロルフェニラミン)を産後の女性に静脈注射すると血清プロラクチンレベルが有意に低下したという報告があります。プロラクチンの低下は乳汁量の低下をもたらします。このため母乳育児には長期間使用しないように考えられています。一方で、乳児誘発性の母体プロラクチン分泌は、抗ヒスタミン剤の影響を受けない(上回る)という報告もありますので、抗ヒスタミン剤を飲んだとしても乳汁量に影響を及ぼさない報告もあります。
抗ヒスタミン剤(H1、H2)によるプロラクチン値への影響について




抗ヒスタミン剤と血清プロラクチン値
抗ヒスタミン剤は乳汁中への移行が確認されています。また、抗ヒスタミン剤はP糖タンパク質の基質と考えられていますので、一般成人であれば血液脳関門にあるP糖タンパク質がバリアのような働きをして、高用量の抗ヒスタミン剤が脳内に流入するのを妨げます。それにより眠気の副作用がある程度抑えられます。しかし乳児では血液脳関門が未成熟であるためP糖タンパクによるバリア機能が十分に作動しません。そのため母乳から摂取された抗ヒスタミン剤は乳児の脳内に流入して鎮静作用、眠気を引き起こすと考えられます。
薬物の脳内移行性は年齢により異なる(理化学研究所)




血液脳関門に関する知見
以下に国内で使用されている第二世代の抗ヒスタミン剤について、授乳婦が使用したときの報告例LACTMEDより抜粋します。

~アレグラ(フェキソフェナジン)~
・乳汁中への移行は少ないため母乳育児に悪影響は及ぼさないと考えられます。
・フェキソフェナジンとエフェドリンを組み合わせると悪影響を及ぼす可能性があります。
・乳汁中に含まれるフェキソフェナジン濃度は平均で41μg/L(23~60μg/L)
・乳児のフェキソフェナジン摂取量は母親の摂取量と比較して0.1%未満です
・母乳育児で母親がフェキソフェナジンを服用したデータでは、25人の乳児のうち3人が過敏症の報告があります(過敏反応はいずれも医師の診察を必要としていません)

~クラリチン(ロラタジン)、デザレックス~
・乳汁中への移行は少ないため母乳育児に悪影響は及ぼさないと考えられます。
・フェキソフェナジンとエフェドリンを組み合わせると悪影響を及ぼす可能性があります
・母親がクラリチン10mgを服用すると、約3㎍を小児が摂取する計算と示唆されています
・英国アレルギー学会および臨床免疫学会は授乳中に抗ヒスタミン剤が必要な場合はロラタジンを最低用量で使用することを推奨しています
・クラリチン10mgを1週間、51人の授乳婦が服用したデータでは2人の乳児で鎮静作用が報告されています対照群との比較データでは乳児における副作用に関する有意差はありません
・51人の授乳婦のうち1人で乳汁量の減少を報告しています

~ジルテック(セチリジン)、ザイザル(レボセチリジン)~
・少量のジルテックならば授乳婦でも可
・高用量または長期投与で、乳児の眠気および他の影響を及ぼすことがあります
・乳汁量の低下を引き起こすことがあります
・英国アレルギー学会および臨床免疫学会は授乳中に抗ヒスタミン剤が必要な場合はセチリジンを最低用量で使用することを推奨しています
LACTMED(授乳婦の薬剤服用と乳児に対する影響についてのデータベース)




第二世代の抗ヒスタミン剤の違いについて
~アレロック(オロパタジン)、タリオン(ベポタスチン)、アレジオン(エピナスチン)~
アメリカでは内服薬は販売されていません。点眼薬しか使用実績ありません。
点眼薬を母親が使用したデータでは乳汁中への移行は問題ないと記されています。

~エバステル、ビラノア~
データなし

通年性のアレルギー症状の改善や痒み止めとして、抗ヒスタミン剤はドラッグストアで購入することができます。授乳婦が自己判断で購入するケースがあるかどうかはわかりませんが、上記の点について注意喚起が必要かと思います。
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