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薬剤性腎障害診療ガイドライン2016が公開されました [薬剤性腎障害]

薬剤性腎障害診療ガイドライン2016が公開されました

日本腎臓学会のホームページの厚生労働省研究班報告において「薬剤性腎障害診療ガイドライン2016」が公開されました。
薬剤性腎障害診療ガイドライン2016




薬剤性腎障害診療ガイドライン2016構造化抄録
~薬剤性腎障害の診断基準~
1):該当する薬剤の投与後に新たに発生した腎障害であること
2):該当薬剤の中止により腎障害の消失、進行の停止を認めること
上記の1)、2)があって他の原因が否定できる場合に診断できる

とされております。薬剤性腎障害が発症するまでの投与期間や、薬剤中止から改善までの期間に関するエビデンスが乏しいため記載されておりません。

ガイドラインには薬剤性腎障害の発症機序が具体的な表として記載されております。
・中毒性
・アレルギー性
・間接毒性
・尿路閉塞性
という4区分に大別されており、一般的な腎障害の原因薬剤といわれているNSAIDSや抗がん剤、抗生剤が主要薬剤名にそれぞれ記載されています。
間接毒性の区分には浸透圧利尿作用がもたらす”多尿”を引き起こすビタミンD製剤・カルシウム製剤が記載されており、私にとっては勉強になりました。

薬剤性腎障害調査では、腎臓専門医施設における全入院患者のうち約1%が薬剤性腎障害によるものであり、36.5%が非回復であると記載されています。

その原因薬剤を見てみると
・NSAIDS:25.1%
・抗腫瘍薬:18%
・抗菌薬:17.5%
・造影剤:5.7%
上位4品目で66%を占めていることが確認できます。
さらに54.6%が「直接型腎障害」とされています。

25%を占めるNSAIDSに関しては、術直後の短期間の投与では薬剤性腎障害を引き起こす頻度は非常に低いとされていますので、慢性的に服用を続けることにより中毒性の薬剤性腎障害が引き起こされるものとされています。

セレコックスやハイペン(エトドラク)などのCOX2選択阻害剤は消化性潰瘍を中心とした副作用の観点から安全性が高いNSAIDSと考えられていますが、長期的な腎機能に対する影響はCOX2非選択薬と同等に低下させると記載されていますので注意が必要です。

抗菌薬に関してはアミノグリコシド系抗菌薬・グリコペプチド系抗菌薬による腎障害に特に注意が必要とされております。内服の抗菌薬(セフェム系やニューキノロンなど)に関しては急性腎障害の原因薬物一覧に記載されております。

調剤薬局で従事している私の主観ですが、ここ数年印象としては整形領域で使用する”痛み止め”がNSAIDSからカロナールやトラムセット、リリカなどの薬剤に変更されるケースをよく目にするようになりました。

長期間、鎮痛剤の服用が必要な腰痛症や関節症の患者さんにとっては、腎臓を含む臓器保護の観点から有用な変更かなと感じております。しかし、”ロキソニン好き”を公言する患者さんもいまだに数多く存在しておりますので、「ロキソニンじゃきゃ効かない」という患者さんに対しては、それとなく薬剤性腎障害診療ガイドラインの内容についてお伝えしてもいいのかもしれないなぁと感じました。

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