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ビールや日本酒に比べて焼酎が血糖値上昇を緩和できる詳細について [アルコール]

ビールや日本酒に比べて焼酎が血糖値上昇を緩和できる詳細について

2016年4月4日 鹿児島大学は発表した報告が話題となっています。「ビールや日本酒に比べて本格芋焼酎を飲むと血糖値上昇を緩和でき、寝付くときのREM睡眠(浅い眠り)時間は水やビールに比べて焼酎の方が短い」という内容です。

被験者数は健康成人6名(男女それぞれお3名ずつ、平均年齢28.8±9.5歳)を対象としてビール、焼酎、日本酒をそれぞれエタノール換算で40gを飲んだ後の血液サンプルから血糖値を測定し、睡眠パターンと脳波から睡眠ポリグラフを用いて調査したデータとなっています。

エタノール換算で40gという量についてですが、
5%ビールでは800ml(350ml缶2~3缶)
25%焼酎では160ml(水割り2~3杯)
15%日本酒では267ml(徳利1.5本)
程度の量です。

調査結果
・焼酎を飲んだ後1時間後の血糖値およびAUC(12時間)の値は、水やビールに比べて低い。
・睡眠ポリグラフ調査の結果、焼酎や日本酒を飲んだ時、睡眠導入時のREM睡眠(急速眼球運動)時間は、水やビールを飲んだ時のREM睡眠時間よりも短い。

という内容です。

被験者が6名と少ないため、何とも言えませんが、血糖値に関するデータは、この解釈でよいと感じました。睡眠に関しては追加調査があることを期待したいです。
薩摩隼人(芋焼酎)と血糖値の関係について




焼酎を飲んだ時の血糖値、睡眠に関する報告
~アルコール摂取後の血糖値について~

アルコールは肝臓にて2段階の分解を受けて無害な酢酸へと変化するわけですが、その2段階の分解にはADH、ALDHと呼ばれるメイン分解酵素に加えて“NAD+”という補酵素が必要です。このNAD+という補酵素はアルコールの分解だけでなく、体内でブドウ糖を合成する(糖新生)のにも必要な補酵素です。

NAD+を利用する際の体内における優先順位を考えると、アルコールまたはその1段階分解産物であるアセトアルデヒドというのは毒性が高い物質ですので、ヒトは優先してNAD+を使用して無害な酢酸へ分解する必要があります。そのためアルコールが体内にあるうちは、優先的にNAD+が消費されますので、ブドウ糖の合成(糖新生)が思うように行われません(競合阻害)。このためアルコール摂取後は、体内成分を利用したブドウ糖の合成(糖新生)が遅れます。この状態を“血糖値が上がりにくい状態”と表現することができます。

ただし、アルコールと一緒に炭水化物を摂取すれば、摂取された炭水化物(米や糖分)は小腸でブドウ糖まで分解されて吸収されますので血糖値は通常通り上がります。焼酎は蒸留酒であるため糖分を含まないのに対して、ビールや日本酒は醸造酒ですので糖分を含みます。

これらのことから、焼酎、ビール、日本酒をそれぞれ“おつまみ”なしで摂取すれば、他のアルコールと比較して、焼酎を飲んだ時は“血糖値が上がりにくい“という状況がうまれます。

~蒸留酒と醸造酒の違いについて~
焼酎やウィスキーは蒸留酒ですのでアルコール分のみを採取して製造しているため製造時の主成分が含まれません。一方でビールや焼酎、ワインは醸造酒と呼ばれ、製造時の主成分を発酵・成熟させた後にろ過して作られますので主成分(糖分)を含んでいるという特徴があります。焼酎やウィスキーのカロリーが低い理由がこれです。

今回の報告は被験者数が少ないデータですので、鵜呑みにするデータというよりは、患者さんとの世間話の中に盛り込むと、“調度よい話題”となる内容かなと感じました。健康サポート薬局などで患者さんにお伝えできれば、健康増進に寄与できる内容かと思います。



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