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味覚障害に使用されるメイラックス(ロフラゼプ)錠の特徴について [味覚障害]

味覚障害に使用されるメイラックス(ロフラゼプ)錠の特徴について

ベンゾジアゼピン系の抗不安、睡眠作用を有する医薬品は現在25種類ほどが薬価収載されています。その中で抗不安、抑うつ症状改善を目的に使用されるケースが多いメイラックス錠について調べてみました。

メイラックス錠の一番の特徴は、その効き目の長さです。抗不安作用を主な薬理作用としているベンゾジアゼピン系の薬剤において、半減期122時間(5日間)という数字は非常に興味深い数字です。

半減期122時間について具体的に考えてみますと、製薬メーカーが保証する抗不安効果を安定して実感するためには20日間飲み続ける必要があります。20日間飲み続けることで、気分改善効果を維持し続けることが可能です(この状態を「定常状態にある」と表現されます)。一度、定常状態に到達すると、1日や2日薬を飲み忘れたとしても薬の効果が急減期に低下することはありません。メイラックス錠の場合は、一度定常状態に達すると、効果が完全に消失するためには14日以上の休薬期間が必要です。(逆に、飲んですぐに効果が実感できるタイプの薬ではないといえます)

ベンゾジアゼピン系の薬の中で、デパスやソラナックスといった薬はメイラックスに比べて血中濃度の上昇が早いため、抗不安効果を実感しやすいという特徴がある反面、効果の減退も早く感じてしまいます。それにより、次の薬を早く飲みたいという感情(intermitten rebound phenomenon:間欠性リバウンド現象)が生じやすいというデメリットがあります。

1日3回タイプの抗不安薬では日中の活動時、頻忙時に抗不安効果が消失する感覚を体感することがあり、薬を追加服用することが、その解決策となっています。この繰り返しが”依存性”へとつながりベンゾジアゼピン系の医薬品を中止しにくくなる理由と考えられています。

定常状態となったメイラックスは血中濃度が数日にわたり一定に保たれますので、上記のような間欠性の欲求は起こりえません。このためメイラックスは他のベンゾジアゼピン系の医薬品にくらべて依存性が低いという評価を得ています。

ベンゾジアゼピン誘導体の薬理作用は抗不安作用や、鎮静作用がメインですが、ラットに対する国内報告例の中に「摂食を促進する作用」を報告しているデータがあります。ラットにベンゾジアゼピン誘導体を投与すると、ショ糖やサッカリンなど、本来好ましい溶液に対する摂取応答が著明に増加することを報告しています。一方でキニーネなどの嫌な味溶液に対する嫌悪応答には変化がありません。そのためベンゾジアゼピン誘導体は「おいしいものをよりおいしく感じさせる作用がある」とうい内容の報告があります。
美味しいものを、より美味しく感じさせるベンゾジアゼピン作用




味覚障害患者210例の臨床データ
精神状態と唾液について考えてみますと、リラックスをしているときはサラサラの唾液がたっぷり出るため、食品中の成分が唾液に溶けて舌表面の味蕾に味性分が完治されやすい状態となり、味をしっかり感じることができます。一方で緊張していると唾液がネバネバ状態にかわり、唾液の分泌量も低下します。加えて味蕾がネバネバ唾液に覆われるため、「緊張すると唾液の性質が異なるため、食べ物の味がよくわからない」という事態がおこるようです。

ベンゾジアゼピン誘導体を服用することによる「味覚の変化」についての詳細は不明ですが、リラックスしているときに食べ物がおいしく感じられるという状況は比較的に想像しやすいように私は感じます。この件に関して、口腔外科の報告例を見てみると特発性および心因性味覚異常を有する患者さんにメイラックス(ロフラゼプ)を投与したところ、その改善率は61%との報告があります。

各種ベンゾジアゼピン系の中で味覚異常症にメイラックスが用いられる理由は、抗不安薬という分類にあることと(眠剤ではないこと)、半減期が非常に長いことがその理由でしょう。デパスやソラナックスで同様の味覚修復効果を得るためには毎食の30~60分前に薬を飲まなければならず、コンプライアンスを維持するだけでも大変な作業となります。メイラックスであれば1日1回、どのタイミングで服用しても24時間安定したリラックス効果=味覚異常修復効果が期待できます。

メイラックスに関する注意点は、半減期が長いという特性上、他剤へ変更する際に、体外への消失時間をしっかり認識することが必要だと思います。メイラックス中止直後に、他の抗不安薬の服用が開始された場合、メイラックスの残存率90%の状態で追加されることも起こりえます。「メイラックスから他剤へ変更したところ、薬がよく効く」という状況を回避するために、薬物動態の把握が大切かと感じます。


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