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薬の量が倍になったときの持続時間について [薬物動態]

薬の量が倍になったときの持続時間について

薬の量が倍になったときに、薬の持続時間について考えてみます。
持続時間を考える場合、「効果持続時間」と「全量が排泄されるまでの時間」という2つを考える必要があります。

効果持続時間については、以前このブログで記していますので今回は「全量が排泄されるまでの時間」について検討してみます。
薬の体内動態(薬学的な話)





薬を増量したときの効果持続時間ついて

薬の服用量が倍になったとき、効果持続時間は「今の疾患」に見合った量であるため、体感として感じる持続時間はかわりないわけですが、「服用した薬」をすべて体から排泄するまでに要する時間は増えます。体に取り込まれた薬の総量を示す言葉として「AUC」がありますが、このAUCはおおよそ服用量に比例して増えていきます。一般的な服用量であれば、半減期(血中から消失していく速度)に大きな変化はありませんので、半減期の短い薬でも長い薬でもAUCと服用量の相関関係に際立った差異はみられないかと思います。

半減期が5~6時間程度のエチゾラム錠
0.25mgAUC:35ng・hr/ml
0.5mgAUC:61 ng・hr/ml
1mgAUC:117 ng・hr/ml

半減期が30時間以上であるアムロジピン錠
2.5mgAUC:49 ng・hr/ml
5mgAUC:100 ng・hr/ml
10mgAUC:235 ng・hr/ml

服用量に対してAUCが二次関数的に増加していくモノがあるとすれば、それは服用量に対して排泄が間に合ってないことを意味します。そういうモノがあるとすれば、それは医薬品というよりは毒物に相当するといえます。

~半減期のイメージを患者さんにお伝えする~
服用した薬は肝臓または腎臓の働きにより徐々に排泄されていきます。例えば、排泄するような工場が体の中に10個あると想定して、1つの薬を1つの排泄工場が担当するとします。A錠の常用量が1~3錠とした場合、通常の服用量であれば排泄工場がフル稼働することはありません。そのためA錠が排泄される速度は一定に保たれます(この排泄速度を半減期と考えます)。しかし、例えば高齢になって工場の数が減ってしまったり、似たような薬を一緒に飲むことで排泄工場が利用されてしまうと、A錠の排泄が遅れることがあります(半減期が伸びるイメージ)。この場合、薬の効き目も排泄までにかかる時間も延長するため効果が長く(強く)でる可能性があります。薬の飲み合わせをチェックする理由はこのためです。

「薬を飲むことが体にとってよくない」という言葉をより正確にいうのであれば、薬を排泄することが体にとって負担となるというニュアンスが近いかと思います。塩分をとりすぎると腎臓にとって負担となるという表現が似ているかと思います。

「薬が倍になったときの持続時間」のまとめ
症状の進行とともに薬の量が増えることがあります。「疾患度合」と「効果を感じる持続時間」とは相対的な関係にありますので、「効果を感じる持続時間」は相対的に変わりなく経過していきます。しかし「薬の排泄に要する時間」は「薬の量」に比例します。そのため定期的に腎臓や肝臓の検査を行い各臓器の機能が低下していなか確認する作業が必要となります。

~一過性の薬物中毒~
一般的な薬の常用量では半減期に大きな差はみられません。しかし薬の過剰摂取では話がかわります。カフェイン中毒を例にだしますと、一般的なカフェインの半減期は5時間程度ですが、常用量の10~20倍もの量を摂取すると半減期が3倍(15時間以上)まで延長することがわかっています。工場の例で言い換えると過剰摂取により10個の工場がフル稼働してしまっていて、それ以上排泄ができないため半減期が延長した悪い例と言えます。

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