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ウルソ錠の働きを患者さんにお伝えする [胆汁酸分泌・胆石]

ウルソ錠の働きを患者さんにお伝えする

ウルソ錠を長期間服用している患者さんがおります。1日3回1回1~3錠を長い期間使用している方も見かけます。飲み続ける薬とはわかっていても服用意義が低下すると飲み忘れが生じてしまうケースがあります。飲み忘れを防止するためにウルソ錠の具体的な働きについて患者さんへどのようにお伝えすれば良いかを検討してみました。
ウルソ錠を長期使用したときのデータ




胆汁酸のはたらきについて
~胆汁酸製剤であるウルソ錠の効果について~
ウルソ錠の適応症
・胆道系疾患および胆汁うっ滞を伴う肝疾患、
・慢性肝疾患における肝機能低下
・コレステロール系胆石の溶解
などです。ウルソ錠は、肝臓の働きの一つである胆汁酸合成に関与およびサポートすることで胆汁酸排泄および肝機能改善に寄与する薬といえます。

~ウルソ錠と胆汁酸の関わり~
胆汁酸は、肝臓にて合成され、胆嚢に蓄えられています。食事をすることにより、胆嚢に蓄えられていた胆汁酸が腸内に分泌されます。胆汁酸には、食事中に含まれる脂肪を小腸から吸収されやすい形(乳化)へ促す働きがあります。胆汁酸の90%は食事由来の脂肪と一緒に回腸から吸収されて再利用されます。

ウルソ錠の主な働きは2つです。
1つめは胆汁分泌を促進する働きです。(利胆作用)この働きにより胆汁うっ滞を改善します。ウルソ錠600mg/日で14日間服用すると肝胆汁流量を計測したデータでは、服用1日目から増加がみられ、14日間にわたって胆汁流量の増加が持続したことが確認されています。

2つ目の働きはヒトが作り出す胆汁酸と置き換わるという働きです。ヒトが作り出す胆汁酸はコール酸とケノデオキシコール酸という2種類に大別することができます。そのうちケノデオキシコール酸は強い疎水性胆汁酸という特徴があるため細胞を障害することがあります。ウルソ錠を服用すると小腸から取り込まれたあと肝臓にてケノデオキシコール酸と置き換わることができるため、ケノデオキシコール酸による肝細胞障害作用を軽減することができます。ケノデオキシコール酸を誘発させて肝障害を引き起こしたハムスターにウルソ錠を服用させることで肝機能が正常化しているデータがあります。また、ヒト肝細胞由来のケノデオキシコール酸を単独またはウルソ錠とともに細胞に添加すると、ウルソ錠とともに添加したほうが細胞傷害が有意に低下するというデータもあります。

~ウルソ錠の胆石を溶かすはたらきについて~
胆石には種類があります。コレステロール結石、ビリルビンカルシウム結石、黒色石などがあります。脂質の摂取量増加に伴いコレステロール結石を保有する割合が増加していると言われています。胆汁の粘張度が高くなることで、うっ滞や凝集を起こして胆汁が固まり結石となるとされています。

コレステロール胆石のうち直径15mm未満の小さいものであれば溶かすことができる可能性があります。特に胆嚢の中に浮くような小さく軽いものはウルソ錠の服用で溶かすことができます。薬の効果を評価するためには6~12ヶ月が必要とされています。胆石を溶かすためには十分な胆汁酸が必要ですので自己調節しないこと。

ウルソ錠を服用して胆石が溶ける率は30%とされています。しかし溶けたあとに放っておくと60%の患者さんで再発が報告されています(食事の内容によって程度は異なります)。胆石溶解後もウルソ錠の服用を続けると再発率が16%に抑えられます。胆石の治療では溶解後の治療指針も主治医との相談する必要があります。
原発性胆汁性肝硬変に対するウルソの長期使用したときのデータ




胆汁酸の効果

ウルソ錠の薬物動態について
1日3回ウルソ錠を服用する場合
服用間隔(8時間)>半減期1.3時間×4(または5)
となるためウルソ錠は定常状態を持たない薬であることがわかります。
つまり「ウルソ錠は飲めば効く。飲み忘れたら効かない」という非常にわかりやすい薬であることがわかります。「昼食後に飲んだから、夕食後に飲み忘れてもいい」という薬ではないので指示通り使用することがウルソ錠の効き目に直結します。胆石を溶解するために使用している方の場合は特に飲み忘れ注意です。
(インタビューフォームにはウルソ錠1200mg/3×7TDで服用したところ5日目以降に定常状態に達したという記述がありますが1日量1200mgが常用量の薬ではないので、このインタビューフォームの表記をどのように解釈するかは人それぞれかと思います)

排泄
ウルソ錠は回腸で吸収されて肝臓にとりこまれ、胆汁酸として消化管に排泄されます。回腸から吸収されて何度か再利用されます。そのためウルソ錠500mg/日を服用した場合、72時間(3日間)までに糞便中に回収される排泄率は27.7%というデータがあります。
尿中には1%程度しか排泄されません。

副作用に関して
胆汁酸の流量が増えるため下痢の副作用頻度が一番高く(5%未満)、ついで食欲不振、腹痛、腹部膨満感、掻痒、発疹、肝機能上昇が1%未満と続きます。

ウルソを服用し続ける患者さんへお伝えすること。
このお薬は肝臓の働きうちの一つ胆汁酸の合成という仕事を手助けする薬です。さらにヒトがつくる胆汁酸は少しだけ肝臓を傷つけることがあるのですが、ウルソを使用するとそれと置き換わることによって肝臓への傷害を回避することができ、肝臓への負担軽減につながります。

また胆石治療で使用する場合は、胆石を小さくする効果および再発防止のために使用を続けることが多いです。服用後の効き目がそれほど長くないため、飲み忘れなく指示通り使用をつづけることが胆石再発防止に大切です。
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