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デパス錠と後発医薬品(ジェネリック医薬品)であるエチゾラム錠の効き目を添付文書のデータから比較する [安定剤]

デパス錠と後発医薬品(ジェネリック医薬品)であるエチゾラム錠の効き目を添付文書のデータから比較する


抗不安薬として定期服用や頓服使用されるケースが多いデパス錠(またはエチゾラム錠)ですが、その効き目が先発医薬品であるデパス錠と後発医薬品であるエチゾラム錠で、どの程度違うか、誤差の範囲内なのかを添付文書の薬物動態データから検証してみました。

デパス錠と各後発医薬品の添付文書の中から薬物動態の数字を拾ってみました。すると同等性試験として使用している医薬品の量に違いがあることがわかりました。先発医薬品のデパスは2mg錠を単回服用したときのデータが記載されています。各後発医薬品では0.5mg~2mgまで各製薬会社独自の投与量で生物学的同等性試験のデータをクリアしていることがわかりました。
(エチゾラム2mgの場合:0.5mg4錠と1mg2錠として別々のデータを上げているメーカーもあります)。

そのため各メーカーが販売しているエチゾラムを比較することは非常に難しいことがわかりました。しかし、いずれの薬物動態データにも標準製品との比較は記載されているので、今回はAUCとCmaxに関しては、標準製品との比較データ(標準製品に対して何%か)を記載しました。
計算式
相対的AUC比(%):(後発のAUC)÷(標準製品のAUC)
相対的Cmax比(%):(後発のCmax)÷(標準製品のCmax)
エチゾラム.JPG
~上図の見方~
薬物動態試験において錠剤規格(0.5mgまたは1mg)を被験者が何錠服用したか(1錠~4錠)というデータごとにそろえてみました。

相対的AUC比に関しては93.2%~108.26%も間におさまっていることが分かります。相対的Cmax比に関しては94.63%~107.25%までの間におさまっていることが分かります。

後発医薬品に関する世界基準の生物学的同等性試験では80~120%程度の精度で後発医薬品を作成するよう規定されていますが、国内の後発医薬品(ジェネリック医薬品)の精度は、より厳しく90~110%以内であると言われています。エチゾラム0.5mgに関してはまさにその通りのデータが添付文書に記載されていることがわかります。

生物学的同等性試験の検査指標はAUCおよびCmaxの2つのみです。Tmaxおよびt1/2を測定する義務はありません。各後発医薬品の添付文書には参考パラメータとしてTmaxおよびt1/2のデータが記載されています。そのためTmaxおよびt1/2にどの程度のバラ付きがあるか興味があり調べてみました。

Tmax(最高血中濃度到達時間)については、ニプロ、沢井、日新、ツルハラ、日本ジェネリックから販売されているエチゾラム錠が約2時間以上のTmaxであることがわかりました。それ以外のメーカーのエチゾラムのTmaxが約1時間前後ですので、上記5社から発売されているエチゾラムは他メーカーの製品に比べゆっくり効果を感じるタイプであることがわかります。(効き目が穏やかに表れるので急激な眠気は出にくいかもしれません)

Tmaxが長い:ニプロ、沢井、日新、ツルハラ、日本ジェネリック
Tmaxが短い:エルドメットエーザイ、日医工、アメル、小林化工、フジナガ

逆にTmaxが短い製剤は、使用したときに効果発現が早いわけですので頓服に向いていると言えます。特にエルドメッドエーザイのエチゾラムEMEC錠は湿性錠であるため水なしでも飲むことができ非常に頓服向きな製剤であると言えます。

t1/2(血中半減期)については、5~6時間程度と記載されている製剤が非常に多いことがわかります。一方で、日新、TCK、日医工(デゾラム)は10時間を超える半減期となっています。この件に関してデゾラムを製造している日医工へ確認してみたところ、「被験者12人から採取したデータの実測値を添付文書に記載しています」という回答を得ましたが、それ以上の説明はありませんでした。デゾラムの添付文書には半減期の数値と一緒にグラフ(縦軸:血中濃度、横軸:時間)が記載されているのですが、そのグラフを用いて半減期を、おおよそで確認してみると5~6時間程度であることがわかります。ですので「デゾラム錠の半減期は12~13時間でありその他のエチゾラム製剤よりも効き目が長い」とは考えない方が無難だと私は考えます。(私独自の解釈です)




半減期が長めに記載されているデゾラム錠0.5mgおよび1mgの添付文書


まとめ
デパス錠の後発医薬品であるエチゾラム錠の各メーカーごとの違いについて検討してみた結果、相対的AUC、相対的Cmaxに関してはおおきなバラつきもなく100%±10%の枠におさまっていることがわかりました。効き目の強さについてはどれも変わりないかとは思いますが相対的AUC比および相対的Cmax比のデータがいずれも100%を超えている薬は先発医薬品のデパス錠より、ほんの少しだけ良いのかもしれません。

Tmaxおよびt1/2を検討した結果、Tmaxが2時間を超える製品については効き目がゆっくりと出てくると思います。そのため急激な眠気やフラツキを回避できるという利点がある一方、急に襲ってくる不安感に対して頓服使用した場合は薬の効き目がマイルドに感じるかもしれません。Tmaxが1時間未満の製品については頓服で使用した際に効果を素早く実感できることが示唆されます。特にEMEC錠は湿性錠であるため水なしで頓服使用後30分以内に効果がでるものと示唆されます。

t1/2に関しては6時間前後と捉えて問題ないかと思います。一部の製品で10時間を超える記載がありますが、CmaxおよびAUCがいずれも±10%程度の誤差であり、かつTmaxにも極端な差がないにもかかわらず半減期のみが倍(6時間から12時間へ)になることは考えにくいので、目頭を立ててメーカーに理由を問い詰めるのではなく、スルーして良い案件かと私は考えます。

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