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経口用カルバペネム系抗生物質「オラペネム小児用(テビペネムピボキシル)」の成人への適応拡大はあるのか [抗生剤]

経口用カルバペネム系抗生物質「オラペネム小児用(テビペネムピボキシル)」の成人への適応拡大はあるのか

経口用カルバペネム系抗生物質「オラペネム小児用」のライセンスを保有するMeiji Seikaファルマは、米国Spero Therapeutics社に対して同剤の開発および商業化する権利を許諾しました。Spero Therapeutics社は現在テビペネムの成人感染症に対する治療薬としての開発をすすめており、FDAから優先審査をうける権利を得ています。このお知らせを見て、今後「成人への適応拡大」となる可能性はあるのかなぁと、少し思いました。
経口用カルバペネム系抗生物質「テビペネムピボキシル」のライセンス契約




テビペネムの成人患者に対する有効性・安全性
オラペネム(テビペネム)は現在小児への適応症しか有しておらず、その力価の高さから他の抗生剤による治療では効果が期待できない症例に限り使用することが許されている製剤です。

小児の感染症で問題となるペニシリン耐性肺炎球菌・マクロライド耐性肺炎球菌・インフルエンザ菌に対してオラペネム(テビペネム)は強力な抗菌力を有しており、注射用カルバペネム系抗生物質と同程度の力価が報告されています。

オラペネム(テビペネム)は上記の特性上、頻回に処方される抗生剤ではありません。重症の小児を治療する小児科の門前以外の調剤薬局勤務では目にする機会が少ない薬かもしれません。

今回、Meiji SeikaファルマがSpero Therapeutics社に対してオラペネム(テビペネム)のライセンスを許諾した理由は“成人への適応拡大”が視野にあるように私には感じられました。
経口用カルバペネム系抗生物質「テビペネムピボキシル」のライセンス契約




テビペネムの成人患者に対する有効性・安全性
Spero Therapeutics社は成人の多剤耐性グラム陰性菌による感染症に対する治療薬としてテビペネムの開発を進めており、米国FDAから優先審査の指定をうけています。アメリカでの成人への適応症の認可が下りれば、その有効性を加味した上で日本国内でも同様に“成人への適応拡大”となる可能性もゼロではありません。

経口用カルバペネム系抗生物質の成人への適応拡大は私の想像ですが、高齢化社会・在宅治療といった社会の流れを勘案すると今後のニーズはゼロではない気もします。

ただ、カルバペネム系抗生物質に関してはカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)という耐性菌が報告されており、年間で1500例ほど届け出がNIID国立感染症研究所に届け出が行われております(うち死亡例は50例ほど)。感染部位は尿路感染症、菌血症・敗血症・肺炎の順となっており、原因薬剤はイミペネム・メロペネムが多く確認されています。

現時点ではカルバペネム耐性腸内細菌の報告は院内入院患者によるものとなっていますが、経口用カルバペネム系抗生物質の成人適応拡大をする国が出始めると、その耐性菌を生み出す可能性が大幅に拡大する可能性も秘めることになります。
経口用カルバペネム系抗生物質「テビペネムピボキシル」のライセンス契約




テビペネムの成人患者に対する有効性・安全性
今回は、あくまでSpero Therapeutics社へのライセンス締結に関するニュースですので、米国での開発・認可などの動向が注視されるかと思います。

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