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「トラムセット配合錠は空腹時の服用を避ける」という添付文書の表記について [痛み止め]

「トラムセット配合錠は空腹時の服用を避ける」という添付文書の表記について
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http://kusuri-yakuzaishi.com/tramcet-hunger-taking

非オピオイド鎮痛剤“トラマドール”を含有する医薬品には3銘柄があります。
・トラマールOD錠
・トラムセット配合錠(トラマールとアセトアミノフェンの配合錠)
・ワントラム錠100mg(トラマールの徐放製剤)

上記の3銘柄の中でトラムセト配合錠のみに「空腹時の投与を避けることが望ましい」という文言が用法に記載されています。
アセトアミノフェンの鎮痛作用について




トラマドールおよびタペンタドールの鎮痛作用機序と比較
上記3銘柄はいずれも薬物動態(薬の効果)に関しては食事の影響をうけない製剤であることが各インタビューフォームに記載されていますので、トラムセット配合錠を“空腹時に飲まない方がいい理由”は薬の効果(薬物動態)ウンヌンではなく「アセトアミノフェン」を含んでいるからということになります。

アセトアミノフェン製剤(カロナールなど)の添付文書の用法にも「空腹時の投与は避けることが望ましい」という文言が記されていますので納得です。

この件についてトラムセット配合錠を販売している持田製薬に確認してみたところ、「添付文書に記してある“空腹時の投与は避けること”はカロナールを含むために記載しています。しかし、トラマドールを含むトラムセット配合錠、トラマールOD錠、ワントラムはすべて悪心・嘔吐の副作用頻度が高い製剤なので、胃腸障害の副作用を軽減させるために食後に服用することを推奨します。」という回答を得ました。

メーカーが言う悪心嘔吐の副作用頻度を確認してみると

トラムセット配合錠:悪心(41.4%)、嘔吐(26.2%)
トラマールOD錠:悪心(29.2%)、嘔吐(19.5%)
ワントラム錠:悪心(51.9%)、嘔吐(22.6%)

となっていますので、トラマドール製剤は消化管がしっかり動いている状況下で服用することが上記の副作用に軽減につながることが示唆されます。

トラムセット配合錠のインタビューフォームには“空腹時服用”のデータが記載されおりすので、確認してみたところ

日本人および白人健康成人男性各8例を対象として空腹時に1回1錠、1日4回、5日間反復経口投与したところ16例中9例56件(日本人4例7件、白人5例49件)の副作用が報告されています。主な副作用(2例以上)は
日本人で鼻咽頭炎(3例3件)
白人では頭痛(3例24件)
倦怠感(2例8件)

日本人健康成人男性8例を対象に空腹時1回2錠、1日4回、3日間反復経口投与したところ8例中3例16件で副作用が報告されています。主な副作用(2例以上)は
傾眠(2例8件)

と記載されておりました。メーカーの学術が言う「空腹時服用による悪心嘔吐」の副作用報告がないことが皮肉ですが、症例数が少ないので・・・何とも言えない感じでしょうか。
アセトアミノフェンの鎮痛作用について




トラマドールおよびタペンタドールの鎮痛作用機序と比較

昔から言われていることですが、アセトアミノフェンと“空腹時投与”に関しては、医療関係者ごとに見解がわかれるので各々の感覚にゆだねられると捉えております。

添付文書に“避けた方がいい”と書いてあるのでNSAIDSのような胃腸障害の可能性を考えて避けるべきという見解もありえます。

カロナール500mg 3T/3× 食間

という処方が出た場合、用法がレセプト審査ではねられる可能性がありますので、保険薬局としては疑義照会が必要になるかもしれません。

一方、アセトアミノフェンはNSAIDSと違って末梢におけるプロスタグランジン合成阻害作用が極めて弱く、抗炎症作用は皆無と考えられていることから空腹で飲んでも胃腸障害の副作用は生じにくいため、空腹で飲んでもいいという見解もありまえます。

アセトアミノフェン製剤は薬理作用が解明されておりませんので、空腹服用に関する考え方はそれぞれです。

話をトラマドール製剤へ戻します。疼痛でつらい思いをしている患者様に対してトラマドール製剤が処方されるわけですが、服用したところ「悪心・嘔吐・便秘・胃不快感」などの“胃腸障害が出たためつらい・服用できない”となってしまっては本末転倒です。

ということで私が思うトラムセット・トラマールOD・ワントラムを患者様へお渡しする際のイメージとしましては

トラムセット配合錠はアセトアミノフェンを含むため「空腹を避けるべき」と添付文書に記載されているものの、この文言は形式上のものでしかありません。実態はトラマドールを含む3銘柄を服用すると半数以上の割合で胃腸障害の副作用が報告されております。
アセトアミノフェンの鎮痛作用について




トラマドールおよびタペンタドールの鎮痛作用機序と比較

トラマドール製剤の薬物動態は食事の影響を受けません(薬物動態比較が80~125%の間にある)ので、悪心嘔吐の副作用を軽減さえるために食後の服用が理想的とお伝えしたいです。


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