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遅発性ジスキネジア治療薬“バルベナジン(valbenazine)”がFDAにて承認される [抗精神病薬]

遅発性ジスキネジア治療薬“バルベナジン(valbenazine)”がFDAにて承認される

定形型または非定形型抗精神薬の長期服用により生じる副作用の1つに遅発性ジスキネジアがあります。FDA米食品医薬品局は2017年4月1日に遅発性ジスキネジア治療薬を承認しました。
FDAが遅発性ジスキネジア治療薬を認可




遅発性ジスキネジアに対するバルベナジンの第Ⅲ相無作為試験データ
ニューロクラインバイオサイエンス社(米国サンディエゴ)の報告によると
商品名Ingrezza、成分名バルベナジン(valbenazine)
薬理作用:神経終末内部に存在するVMAT2(小胞モノアミントランスポーターtype2)をバルベナジンが阻害することで、ドパミンなどの神経伝達物質のシナプス前小胞への取り込みを減らして、遅発性ジスキネジア症状を治療する。(不随意運動を正常化させる)バルベナジンは抗精神薬・抗うつ薬との併用は問題ないと製造メーカーは記しています。

モノアミントランスポーターは大きく分けて2つあります。1つ目はシナプスの細胞膜上に存在してシナプス間隙からモノアミンをシナプス内に取り込む役割を担う“細胞膜モノアミントランスポーター”です。2つ目はシナプス内の小胞膜上に存在して、小胞内にあるモノアミンをシナプス内へ放出・調節する役割を担う小胞モノアミントランスポーター(VMAT2)です。バルベナジンはVMAT2阻害剤としてはたらきます。
小胞モノアミントランスポーターVMATのイメージ(Figure2参照)




田辺三菱がバルベナジンのライセンス契約締結2015年4月1日
国内では田辺三菱製薬株式会社がニューロクラインバイオサイエンス社(米国サンディエゴ)との間でバルベナジンに関する独占的開発・販売権に係るライセンス契約を2015年3月31日付で締結しています。国内での適応症はハンチントン病に伴う舞踏運動、遅発性ジスキネジアを協議・検討する予定となっています。

第Ⅲ相試験データ(KINECT3)
被験者:統合失調症により中程度又は重度の遅発性ジスキネジアを有する気分障害患者225名
使用量:1日1回 プラセボ、バルベナジン40mg、バルベナジン80mgが無作為に割り付けられ6週間継続服用しています。
結果:225人の参加者のうち205人が6週間の服用を完了しました。被験者のうち85.5%が同時に抗精神薬を服用していました。
6週間後のジスキネジア症状の改善度評価にはAIMS(異常不随意運動評価尺度)のスコアで評価されています。

プラセボ群:-0.1
バルベナジン40mg群:-1.9
バルベナジン80mg群:-3.2

バルベナジンの服用によりAIMSのスコアが有意に低下していることがわかります。さらにAIMSスコアが50%以上減少した患者の割合は

プラセボ群が8.7%
バルベナジン80mg群:40%

となっております。バルベナジン80mgの使用による有害事象は唯一眠気が5%であり、この値はプラセボ群の2倍となっています。それ以外では一般的に忍容性は良好と評価されています。
FDAが遅発性ジスキネジア治療薬を認可




遅発性ジスキネジアに対するバルベナジンの第Ⅲ相無作為試験データ

ハンチントン病
遺伝性の進行性神経変性疾患で、国内において指定難病に定められています。主な症状は舞踏運動を主体とする不随意運動、精神症状および認知障害です。

遅発性ジスキネジア
抗精神病薬などを長期間服用することで生じる不随意運動でドパミンの感受性増加等が原因と考えられています。症状は患者ごとに異なり、舌を左右に動かす、口をもごもごさせるなど顔面に現れることが多いです。嚥下障害・呼吸困難になる可能性もあります。

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