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ブリリンタ錠の特徴とプラビックスとの比較データ [血小板凝集抑制薬]

ブリリンタ錠の特徴とプラビックスとの比較データ

2017年2月に発売開始となったブリリンタ錠について、その特徴およびプラビックス錠との比較データを記載します。
ブリリンタ錠の添付文書ダウンロード




ブリリンタ錠に関する医薬品リスク管理計画
~肝臓で代謝をうける必要なく、服用したままの状態で効果を発揮する~
プラビックスは服用後、肝臓により代謝を受けて薬としての効果を発揮しますが、ブリリンタはその必要はありません。
つまり、肝機能および肝臓の代謝酵素の影響を受けずに安定した効果を発揮するという特徴があります。

~初回服用による効果発現時間が早い~
プラビックスは初回服用後、8時間ほどで安定した血中濃度となるのに対して、ブリリンタでは服用後2時間ほどで安定した血中濃度に到達します。
ブリリンタ錠は肝臓での代謝活性を受ける必要がないことが、作用発現の速さに起因するものと考えられます。

~血小板凝集阻害作用(IPA)が消失するまでの時間~
プラビックスは非可逆的に血小板を阻害するため一度作用すると血小板の寿命(7~10日)まで効き目が続きます。ブリリンタ錠は可逆的に血小板を阻害するので、効果が切れると血小板の働きは回復します。血小板凝集抑制作用からの回復時間を確認してみると

プラビックスを休薬後5日目のIPA=ブリリンタ休薬後3日目のIPA
プラビックス休薬後7日目のIPA=ブリリンタ休薬後5日目のIPA

となっていますのでブリリンタはプラビックスに比較して、休薬後2日間ほど血小板凝集作用の回復が早い製剤であることがわかります。
ブリリンタ錠とプラビックス錠の比較





ブリリンタ錠がプラビックス錠よりも米国心臓病学会/米国心臓病協会のガイドラインで推奨を受けている
~米国心臓病学会および米国心臓病協会によりブリリンタ錠が推奨を受けている~

~プラビックスからブリリンタへの切り替え~
プラビックス錠を最終服用から24時間後にブリリンタ錠を服用して問題ありません。
残存するプラビックス錠の影響を受けないことがインタビューフォームに記されています。

~肝臓の代謝酵素CYP2C19遺伝子多型~
プラビックス錠は肝臓の代謝酵素CYP2C19により活性化されて効果を発揮し、その後CYP2C19により分解されて排泄されます。つまり効果がCYP2C19の量によりバラツキが生じます。日本人の場合20%程の方でCYP2C19の発現量が低いという報告があり、プラビックスの効果が4割程度に減弱されます。

ブリリンタの代謝酵素はCYP2C19ではないためCYP2C19の発現量によらず安定した血液凝固阻害作用が得られます。

~肝臓の代謝酵素CYP3A4~
ブリリンタ錠は肝臓の代謝酵素CYP3A4により代謝をうけて、胆汁を介して60%程度が糞便中に排泄されます。そのため強いCYP3A4阻害剤と併用するとブリリンタ錠の効果が強まってしまいます。強いCYP3A4誘導剤と併用するとブリリンタ錠の効果が減弱してしまいます。そのためこれらの働きを有する薬とは併用できません。
例:イトラゾール、クラリス、フェニトイン、テグレトールなど

~食事の影響~
ブリリンタ錠は食事の影響はうけませんので、食後投与、空腹時投与どちらでもOKです。

~腎機能障害を有する患者さんへの投与~
健常人と重度腎障害患者さんとの間で血小板凝集阻害作用のデータで差が見られないことから重度腎障害による影響はほとんどなかったとインタビューフォームに記されています。

~肝障害のある患者さんへの投与~
中等度又は重度の肝障害のかる患者への投与が禁忌となっています。プラビックス錠には肝障害についての禁忌事項はありません。

~投与回数~
プラビックス錠が1日1回投与であるのに対して、ブリリンタ錠は1日2回投与となっています。既存の定期薬で1日2回服用している薬が他にある患者さんであればプラビックスからブリリンタへ変更しても1日2回服用は問題ないかもしれません。定期服用薬が1日1回の薬しかない患者さんにとってはブリリンタ錠を1日2回服用することは飲み忘れが生じる可能性があります。
プラビックスとブリリンタとの比較データ(アストラゼネカ)





米国心臓病学会/米国心臓病協会の急性冠症候群治療ガイドラインによるブリリンタ錠の推奨
~調剤薬薬局で薬をお渡しする際の注意事項~
・CYP3A4の併用薬を要確認すること
・1日2回の飲み忘れに注意するよう伝えること
・内出血・血便などの副作用について伝えること
・休薬する際の休薬期間を確認すること
・グレープフルーツジュースを摂取する機会があるかどうか確認すること
・肝障害に関する薬を使用していないかどうかについて確認すること