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抗てんかん薬 フィコンパ錠が薬価収載される(平成28年3月28日) [てんかんの薬]

抗てんかん薬 フィコンパ錠が薬価収載される(平成28年3月28日)

日本の製薬会社が開発して国内で発売する抗てんかん薬としては27年ぶりとなる新薬「フィコンパ錠」がエーザイから発売することになりました。5月頃に発売見込みとなる見通しです。今回はフィコンパ錠の特徴をまとめてみました。

~フィコンパ錠~

薬理作用
選択的AMPA(α-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazolepropionic acid)型グルタミン酸受容体拮抗剤です。

「てんかん」とは突発的な強い電気が流れて一時的にショートしてしまい脳内の機能が遮断されることと言われています。脳内の電流量を調節している神経系には興奮性神経を管理しているグルタミン酸神経と抑制系神経を管理しているγアミノ酪酸(GABA)神経という2つに分類できます。

フィコンパ錠はシナプス後膜にある興奮性神経のグルタミン酸受容体を抑制する働きがあるのですが、他剤との違いとしては”非競合的な拮抗剤”であることです。シナプス間隙中にあるグルタミン酸濃度に依存せず効果を発揮します。そのため既存のや薬剤では難治とされていた痙攣発作にも有効性をしめすことが期待されています。

用法用量
他の抗てんかん薬との併用療法です。(単独投与の実績なし)
1日1回2mgから開始して、1週間ごとに2mgずつ 漸増していきます。
維持量は1日1回8~12mg 最大12mgまでです。
併用薬剤の規定として併用抗てんかん薬は3剤まで使用可。このうちCYP3A誘導作用のある抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン、オクスカルバゼピン)の併用は1剤のみ可

有効率
部分発作を有するてんかん患者さん710例(日本人245例)を対象として行われた臨床結果
50%レスポンダー率(50以上改善した患者の割合)
プラセボ群:19.4%
フィコンバ錠4mg群:23%
フィコンパ錠8mg群:36%
フィコンパ錠12mg群:13.3%

強直間代発作を有するてんかん患者さん164例(日本人11例)を対象としておこなれた臨床結果
50%レスポンダー率(50以上改善した患者の割合)
プラセボ群:39.5%
フィコンパ錠:64.2%
最大12mg/日で服用した患者さんの有効性は長期(最大127週間)にわたり維持されています。


頻度の高い副作用
浮動性めまい・傾眠・疲労・頭痛

薬物動態(2mg、4mg、6mg、8mgを健康成人各6名ずつ単回投与)
Tmax:0.5~1時間(絶食下)
半減期(T1/2):75~95時間(高齢者では100時間を超える)
半減期が長いため、メーカーが保証する効果(定常状態に達する)を発現するまでには
80時間(平均半減期)×4~5=320~400時間
2~3週間ほどかかります。

食事の影響
絶食下投与:Tmax:1時間
摂食下投与:Tmax:3時間
空腹で飲むと効き目が早くなるように見えますが、上記は単回投与におけるデータですので、毎日服用を続けて定常状態に達していればTmaxはさほど気にならないものと示唆されます。

テグレトール(カルバマゼピン)との併用
テグレトールはCYP3A4を誘導します。フィコンパ錠はCYP3A4により代謝されて効果がなくなってしまうためテグレトールとの併用で力価がさがります。
テグレトールとの併用によりCmax:26%低下、AUC:67%減少、半減期56%短縮、見かけのクリアランス203%増加(体から消失した)となりますので、テグレトールとの併用の際は使用量が多めになることが予想されます。またテグレトールと併用していて、テグレトールのみを中止する際は、フィコンパ錠の効果が強くなることが予想されます。

代謝および排泄
フィコンパ錠は肝臓のCYP3A4により代謝をうけます。代謝物質の活性は未変化体に比べて1/3~1/44(ラットのデータ)ですので、フィコンパ錠は肝臓で代謝を受けたあとは不活性化すると捉えて良いかと思います。不活性化された後の排泄部位は69%が糞中、28%が尿中に排泄されます。。未変化体尿中排泄率は0.2%未満です。
代謝および排泄に関しては肝臓による寄与が大きいため肝機能の低下患者さんには服用量に注意が必要です。




抗てんかん薬のききめの違いについて

まとめ
フィコンパ錠と併用できる抗てんかん薬の併用数は3剤まで。
フィコンパ錠は単独投与しない。
フィコンパ錠は2mgずつ増量する。
定常状態に達するまでに2~3週間かかる。
テグレトールを併用する際はフィコンパ錠の効き目が下がる。
フィコンパ錠とテグレトールを併用していて、テグレトールのみ中止となる場合はフィコンパ錠の効き目が上がる。
肝機能低下患者さんでは効き目が上がる。

以上のことを注意しながら患者さんへお薬をお渡ししていこうと思います。

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