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頓服薬として使用したときのエビリファイ・リスパダール・ジプレキサの違いについて検討する [抗精神病薬]

頓服薬として使用したときのエビリファイ・リスパダール・ジプレキサの違いについて検討する

抗精神病薬の中で、エビリファイ・リスパダール・ジプレキサという3剤には服用しやすい剤形としてエビリファイ内用液・リスパダール内用液・ジプレキサザイディスという剤形が販売されています。これらの剤形は、その使い勝手の良さから適応症には記載されていない”頓服薬”として処方されることが多々あります。

エビリファイ・リスパダール・ジプレキサの具体的な効き目はそれぞれ異なります。通常の利用方法は、効き目の違い及び効果持続時間を利用して定期服用する薬です。
しかし、例えばドーパミンの一過性上昇がもたらす急性期(不穏時・不安時・イライラ時など)に頓服薬として上記薬剤を使用する場合の効能効果を検討する場合、効果発現の早さ、効果持続時間、力価という3点をある程度の指標として考えることができます。

以前、リスパダール内用液を頓服した場合の薬物動態について検討したことがあります。




頓服で使用したリスパダール内用液の薬物動態について

今回はリスパダール内用液と同様に上記3剤について頓服使用後の薬物動態について検討してみました。
図はエビリファイ・リスパダール主活性代謝物・ジプレキサを1回服用した時の薬物動態をしめしています。赤線は連続服用後に定常状態に達した際の平均血中濃度を示しています。各薬剤の特徴をまとめてみます

~エビリファイ~
服用後2時間ほどで安定した効果が発現します。効き目は定常状態時の約1/3程度です。エビリファイの半減期が60時間ですので、効果持続時間は1~2日は穏やかに効果が持続することが想定されます。またエビリファイ特有のパーシャルアゴニストとしての作用により過鎮静が生じにくいという特徴がありますので、頓服使用後も日常生活の活動量を過度に落とさず経過することが示唆されます。

~リスパダール~
服用後40分ほどで効果が発現します。効果発現が早いという特徴を備えています。効き目も定常状態時の6割程度を保持しているので効果を実感できる薬です。効果持続時間は服用後半日を経過すると徐々に減退してくると思われます。リスパダールは、しっかりドーパミン受容体を遮断する効果があるため、効き目を感じることができる半面、効果が減弱してきたときの「差」も明確に生じます。「一過性のドーパミン放出が原因で生じる急性期症状」といってもドーパミン放出の程度および持続時間はケースバイケースです。リスパダールはその特性を考えると、短時間型の急変にはマッチする薬であると思われます。

~ジプレキサ~
服用後2~3時間ほどで効果が発現します。効き目は定常状態時の約半分程度です。ジプレキサの半減期が30時間ほどですので、効果持続時間は1日程度は持続的に続くものと思われます。服用量にもよりますが、持続時間と一過性の抗ドーパミン作用だけを見るのであればエビリファイとリスパダールの中間という印象です。ジプレキサはドーパミンD2・D3・D4受容体に加えてα1アドレナリンおよびヒスタミンH1受容体に対してほぼ同じ濃度範囲で高い親和性を示してバランスよく結合する特徴があるため、不穏感・イライラ・不安感などを含む幅広い急性変調に対処できる特性があると思われます。

頓服薬の選定には関しては、定期服用している抗精神病薬と同じ薬を頓服薬として使用するケースもあれば、違う薬を使用するケースもあります。いずれの薬においても頓服薬使用する場合は、薬の効き目と同時に消失についても考慮する必要があります。急性期症状の具体的な症状と発現時間、変調度合いなどを明確に確認し、症状に見合った薬剤を選定することが求められます。



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