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デパス・リーゼ・ソラナックス・ワイパックス・レキソタンの安定剤として効き目を薬物動態から考える [安定剤]

デパス・リーゼ・ソラナックス・ワイパックス・レキソタンの安定剤として効き目を薬物動態から考える
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精神科の処方箋を手にする機会があるのですが、患者さんによっては薬がころころ変わることがあります。日中(朝昼夕食後)に使用する抗不安薬(安定剤)には、さまざまな種類があります。特に処方されるケースが多いベンゾジアゼピン系の薬に関して、患者さんから「どのように効き目が違うんですか?」と質問を受けることもあります。

そこで今回は私が手にするケースが多い抗不安薬である
デパス・リーゼ・ソラナックス・ワイパックス・レキソタン
上記5種類の医薬品について具体的な効き目の違いについて検討してみたいと思います。

○抗不安薬・睡眠薬としての等価換算について

国内で最も信頼性が高いと考えられている等価換算表は稲垣、稲田によるジアゼパム換算表だと思います。(国内で実施された二重盲検比較試験を根拠としています)




抗不安薬についてのジアゼパム等価換算表

ジアゼパム(ホリゾン・セルシン)5mgと等価換算による力価は
デパス1.5mg、リーゼ10mg、ソラナックス0.8mg、ワイパックス1.2mg、レキソタン2.5mg

となります。しかし実際に服用している患者さんにリーゼ5mgとソラナックス0.4mgが同等の抗不安効果があるかというと、一概にそうとは言い切れません。

そこで上記等価換算値に加えて、薬物動態、蛋白結合率、抗不安効果などの複合要素を加味して抗不安効果の効き目について検討を続けます。

○薬物動態について
デパス(半減期6.3時間)、リーゼ(半減期6時間)、ソラナックス(半減期14時間)
ワイパックス(半減期12時間)、レキソタン(半減期20時間)
これら5剤を1日3回使用するとした場合、投与間隔を8時間と仮定するとすべての薬が
(半減期)× 4 > 8時間(投与間隔)
となるため定常状態がある薬と言えます。

では、各薬剤について定常状態時の血中濃度を想定してみます。
半減期の長さ.jpg
図の医薬品Aは半減期が5時間の医薬品を1日3回に分けて服用した時の血中濃度推移を現わしています。デパスやリーゼがこれに類似するグラフになることが想定されます。半減期(5~6時間)よりも服用投与間隔(8時間)が長いため、血中濃度の下がり幅が大きくなります。そのためピーク(Cmax)とトラフ(一番下の値)との差が生じます。もし、デパスやリーゼを服用していて効き目にバラツキを感じるのであれば、これが原因の1つではないかと思われます。

一方医薬品Bは半減期が13時間の医薬品を1日2回に分けて服用したときの血中濃度を現わしています。ソラナックスやワイパックス(1日1~3回)、レキソタン(1日2~3回)がこれ類似するグラフになることが想定されます。ソラナックス・ワイパックス・レキソタンの場合、実際は1日3回使用するケースもあり、その場合は医薬品Bの血中濃度は医薬品Aに比べて安定度は増すものと思われます。グラフでは半減期(12~20時間)が服用投与間隔(12時間)よりも長いため、次回服用までの血中濃度の下がり幅が小さいという特徴があります。そのためピーク(Cmax)とトラフ(一番下の値)との差が少なくなり、効き目が安定します。

実際、抗不安薬を除いた医薬品の中で、半減期が10時間を超るにもかかわらず1日3回服用する薬があるのか調べてみたのですが、私には見つけることができませんでした。抗不安薬に関しては、安定した効き目を維持するために「半減期>投与間隔」となる必要があるのではないかと私は推測します。また「薬を飲む」という作業が不安感の解消に寄与しているため「1日3回飲む」という作業も必要なのかもしれません。
(1日3回使用する薬の例:胃薬・めまい薬・痛み止め・ビタミン剤・漢方・抗生剤・肝臓薬など)

注意:半減期が10時間を超え、かつ1日複数回経口投与する医薬品の反復投与を示すグラフをなかなか見つけることができず、医薬品Bのグラフを選定しました。医薬品Bのグラフの縦軸が対数(片対数グラフ)となっており、見た目上ピークとトラフの差が少なく見えるこをご考慮ください。

○血中蛋白結合率について
服用後、消化管から吸収された医薬品は血中に入り、その多くは血中蛋白と結合します。血中蛋白と結合せずに遊離型として浮遊している医薬品が実際の薬効を示しています。また浮遊している医薬品が肝臓での代謝・腎臓および腸管からの排泄を受けます。逆に血中蛋白に結合している割合が高い医薬品は代謝・排泄されないため半減期が長くなる傾向にあります。

抗不安薬5剤について血中蛋白結合率を調べてみると
デパス(93%)、リーゼ(99%)、ソラナックス(80%)、ワイパックス(91%)、レキソタン(70%)
となります。
一般的には蛋白結合率が低いほど、効き目はよいが代謝(分解)されるまでの時間も早い(早く効き早くなくなる)というイメージなのですが、上記5剤に関して血中蛋白結合率および半減期を考慮して効き目を考えてみると逆のことが言えます。

半減期が長いソラナックス・レキソタンの血中蛋白結合率が80%以下であるのに対し、半減期が短いデパスやリーゼの血中蛋白結合率が90%以上と高いデータとなりました。
この理由はわかりませんが、薬の効果を解釈するのであれば
半減期が長く蛋白結合率がそれほど高くないソラナックス・レキソタンは長く良く効く
半減期が短く蛋白結合率が高いデパス・リーゼは短くまあまあ効く
と言い変えることができるのではないかと思います(あくまで個人的な考えです)
抗不安薬メイラックス錠の特徴について




抗不安薬セディール錠のはたらき
○抗不安効果について
ベンゾジアゼピン系薬剤には「抗不安・鎮静催眠・筋弛緩・抗けいれん」という4つの効果がありますが薬剤により作用特性が異なります。今回取り上げている5剤に関して抗不安効果および鎮静・催眠、抗うつ効果に関する作用特性についてまとめてみると

デパス:抗不安効果:+3、鎮静催眠効果:+3、抗うつ効果:+2
リーゼ:抗不安効果:+2、鎮静催眠効果:+1、抗うつ効果+1
ソラナックス:抗不安効果:+2、鎮静催眠効果:+2、抗うつ効果:+2
ワイパックス:抗不安効果:+3、鎮静催眠効果:+2、抗うつ効果:+1
レキソタン:抗不安効果:+3、鎮静催眠効果:+2、抗うつ効果:+1


○まとめ
薬の効果には個人差があるため、実際は服用してみなけばなんとも言えないのが事実です。その上で、デパス・リーゼ・ソラナックス・ワイパックス・レキソタンの5剤における抗不安効果につい検討したところ、各薬剤の等価換算に関しては稲垣、稲田によるジアゼパム換算表を目安にすること。さらに薬物動態で薬の効き目を補正するのであれば、ソラナックス・レキソタンは効き目が長く、血中遊離型(非蛋白結合型)の割合が20~30%と他剤よりも多いため安定して抗不安効果が実感できるものと推測されます。

半減期が6時間前後であるデパスやリーゼなどの抗不安薬に関しては、1日の中でストレスが多い時間帯(日中)に薬のピークが来るように服用時間が設定できれば、よいコントロールができるものと思われます。またリーゼは効き目が早い(Tmax:50分)という特徴があるので頓服としても有能な薬であると思います。

また、ソラナックスとレキソタンの効果について言及すると
ソラナックス:生物学的利用率62%、半減期14hr、蛋白結合率80%、Tmax:2hr
レキソタン:生物学的利用率84%、半減期20時間、蛋白結合率70%、Tmax:1.5hr
となり、「吸収率」、「効果時間」、「効き目」、「立ち上がり」という4要素でいずれもレキソタンが優位となるデータとなっています。
(あくまでデータでの話であり実際の効果には個人差があります)
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