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オキサロール軟膏の特許権侵害で後発薬会社に10億円の賠償命令 [後発医薬品]

オキサロール軟膏の特許権侵害で後発薬会社に10億円の賠償命令

オキサロール軟膏の製造方法に関する特許(特許第3310301号)を侵害したとして、後発薬会社(岩城製薬・高田製薬・ポーラファルマ)に対して中外製薬が損害賠償を求めていた訴訟で、東京地裁は2017年7月27日、3社合計で約10億円の支払いを命じました。
オキサロール軟膏製法特許侵害に対する損害賠償請求訴訟の判決




オキサロール軟膏訴訟における製法特許の詳細について
オキサロール軟膏は、薬価算定において新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象でしたが、オキサロール軟膏の後発品の参入により、オキサロール軟膏・オキサロールローションの両方について、本来の時期より早く加算分の引き下げが行われました。

本件は、薬価加算分の引き下げに起因して先発医薬品企業に生じた損害について判断された初めての事例です。後発品各社による侵害品の販売によって、オキサロール軟膏の販売が失われたことによる損害と、新薬創出加算が減額された分の損害という両面について原告側(中外製薬)の請求を認めた判決となっています。
オキサロール軟膏製法特許侵害に対する損害賠償請求訴訟の判決




オキサロール軟膏訴訟における製法特許の詳細について

今回、訴訟の中心となった“製法特許”の詳細は有機化合物の精製過程の1つの工程において「シス体・トランス体をどのように考えるか」が争点となっていたと私は認識しています。

Yという化合物があり、この化合物は六員環を有しているとします。Yは構造上、シス体とトランス体という2つの幾何異性体構造を持っておりました。中外製薬は化合物Yのシス体を用いて、エポキシド化合物を製造し、それを還元剤で処理することで目的の化合物(Z)を得るという製法で特許を取得していました。

目的の化合物Zを得るために、岩城製薬・高田製薬・ポーラファルマは化合物Yのトランス体を用いて、エポキシド化合物を製造し、それを還元剤で処理した後、トランス体をシス体へ変換する工程を経てZを取得していました。

最高裁の判決としては、元となる化合物Yがシス体またはトランス体であるかを問わず、エポキシド化合物の製造から還元処理の作業は、本質的に同じであるため、後発メーカーの製造工程は中外製薬の“製法特許”を侵害するものであるという判決であると私は認識しております。

最高裁の判決で中外製薬の主張が認められた形となりましたが、オキサロール軟膏のジェネリック医薬品の販売自体は通常通り行われます。

実際には、この話題は2013年2月の時点で製法特許侵害の提訴を受け、2015年2月~2015年10月15日までジェネリック医薬品の販売さし止めの仮処分をうけておりました。
オキサロール軟膏製法特許侵害に対する損害賠償請求訴訟の判決




オキサロール軟膏訴訟における製法特許の詳細について

今回、比較的大きな話題となったのは、後発医薬品販売に伴い先発医薬品の売り上げが低下したことと、先発医薬品の薬価のうち新薬創出加算分が削られた損益を後発メーカーが賠償するという初の判決となったためだと思われます。









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