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ウルグアイで大麻(マリファナ)の栽培・販売・使用が合法化/カンナビノイド類の効果について [大麻(マリファナ)]

ウルグアイで大麻(マリファナ)の栽培・販売・使用が合法化/カンナビノイド類の効果について

2017年7月19日、南米ウルグアイで嗜好品としての乾燥大麻(マリファナ)の栽培・販売・使用が合法化されました。購入できるのは指紋認証システムに登録した18歳以上の市民だけです(海外からの旅行者は購入できません)。大麻販売に指定された16店舗の薬局で販売が開始されました。
内在性カンナビノイドのはたらき




大麻(マリファナ)類(カンナビノイド受容体作用薬の役割
アメリカの一部の州やオランダでは以前から嗜好品としての大麻(マリファナ)の使用は合法化しています。南米ウルグアイのニュースが大きく報道された理由は“栽培を合法化したため”だと思われます。

日本では大麻取締法により所持が禁止されています。(医療目的であっても禁止されています)。アメリカの23州、カナダ、イギリスなどでは“医療大麻/医療マリファナ“という言葉がありますが、日本にはありません。日本では大麻が医薬品ではありませんので、私が薬学生だったころに大麻の薬理作用について学習したことはありませんでした。

今回は、大麻(マリファナ)の薬理作用について調べてみることにしました。

大麻(マリファナ)に含まれている成分のうち薬理作用がある成分はカンナビノイド類とよばれ、特にテトラヒドロカンナビノール(THC)が主成分と考えられています。テトラヒドロカンナビノールが発見されたのは1964年ですが、その具体的な作用部位が発見されたのは1992年です。

大麻(マリファナ)の具体的な作用部位(受容体)はカンナビノイド受容体呼ばれ、人間は、もともとカンナビノイド受容体へ作用する物質(アナンダミドなどの内因性カンナビノイド)を生体内で作り出すことができます。

カンナビノイド受容体は、現在までに2種類が発見されています。高次脳機能を司る大脳皮質、記憶の中枢である海馬、恐怖・情動行動を司る扁桃体、運動機能を調節している大脳基底核や小脳といった各脳部位に豊富に発現しているカンナビノイド1受容体と、ヒト白血球細胞から同定され、おもに末梢神経に存在するカンナビノイド2受容体です。
内在性カンナビノイドのはたらき




大麻(マリファナ)類(カンナビノイド受容体作用薬の役割

カンナビノイド受容体はシナプス前終末に発現しています。一方で内因性カンナビノイドはシナプス後部ニューロン内で合成されます。内因性カンナビノイドの働きは、過剰な神経伝達を抑制すること(逆行性シナプス因子)を目的として、シナプス前終末に発現しているカンナビノイド受容体へ作用することで過剰伝達を抑制する働きであることが2001年に発見されました。

麻薬(マリファナ)などのカンナビノイド類に関する機能的役割に関する情報

~食欲~
・麻薬(マリファナ)やアナンダミドなどのカンナビノイドなどのカンナビノイド1受容体作用薬はげっ歯類の摂食量を増強させる

・カンナビノイド1受容体遮断薬(リモナバン)は正常摂食量を減少させる効果が確認されたことから、肥満の治療薬として2006年6月以降EU各国で発売されている(商品名:acomplia)

・内因性カンナビノイドの脳内濃度は絶食により増強し、摂食により減少する

・選択的カンナビノイド2受容体遮断薬では食欲変動はない

・カンナビノイド受容体作用薬はエイズや癌などの消耗性疾患における食欲減退を改善する目的で使用することが期待されている

これらのことから大麻(マリファナ)が作用する受容体とその効果については発見されて20年も経っていないという現状がありますので、

~記憶~
・大麻(マリファナ)や合成カンナビノイド類は認知機能を障害することが確認されている

・大麻(マリファナ)をラットの海馬内へ微量注入しても作業記憶障害が確認されています。この記憶障害はカンナビノイド受容体遮断薬により拮抗する

・内在性カンナビノイドは不快な記憶の消去を促進させる効果があるという報告あり(Marsican等)


~痛み~
・大麻(マリファナ)、合成カンナビノイド、アナンダミドの脊髄内および脳室内投与により鎮痛および痛覚過敏の緩和作用が認められている

・カンナビノイド受容体作用薬を視床の側部後方や中央下部、扁桃体、腹側中濃水道周辺灰白質、延髄吻側腹側部へ微量注入しても鎮痛作用が発現している

・炎症性物質カラゲニンによって誘発された痛覚過敏はアナンダミドの末梢投与により抑制された

・ホルマリン誘発疼痛反応はアナンダミドやカンナビノイド2受容体選択的作用薬によって抑制された
内在性カンナビノイドのはたらき




大麻(マリファナ)類(カンナビノイド受容体作用薬の役割

~薬物依存状態のラットへカンナビノイド受容体拮抗薬を投与~
・ヘロイン(ジアモルヒネ)依存性のラットにカンナビノイド受容体拮抗薬を投与するとヘロイン探索行動が抑制された

・コカイン依存性ラットにカンナビノイド受容体拮抗薬を投与するとコカイン探索行動が抑制され、カンナビノイド受容体作用薬を投与するとコカイン探索行動が誘発された

嗜好品として大麻(マリファナ)を継続使用する方の動機は、人それぞれかとは思いますが、“不快記憶の消去”、“認知機能の低下”、“食欲増進”などの効果を“快楽” と感じることが背景にあるのかもしれません。



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