So-net無料ブログ作成
検索選択

スタチンやフィブラート系の抗コレステロール治療薬の服用を開始すると糖尿病発症率が上がる? [抗コレステロール薬]

スタチンやフィブラート系の抗コレステロール治療薬の服用を開始すると糖尿病発症率が上がる?

2017年7月10日 BMJ Openに「日本人を対象とした“抗コレステロール治療薬の服用開始と糖尿病発症率”に関するデータ」が公開されました。
「日本人を対象とした“抗コレステロール薬の服用開始と糖尿病発症”に関するデータ」




スタチンとアディポネクチン濃度の関係
報告内容
3674人が新規で抗コレステロール薬の服用を開始。平均追跡期間1.96年間

~服用した抗コレステロール薬~
低力価スタチン類(ローコール/リポバス/メバロチン)を服用した人数:979例
高力価スタチン類(リピトール/クレストール/リバロ)を服用した人数:2208例
フィブラート系(ベザトール/リピディル)を服用した人数:487例

~糖尿病の新規発症率(1年間1000人あたりの発症率)~
スタチン非使用群:22.6例/1000人
低力価スタチン使用群:105.5例/1000人
高力価スタチン使用群:133.1例/1000人
フィブラート系使用群:99.2例/1000人

~糖尿病の新規発症率のハザード比(Cox比例ハザードモデルによる交絡因子調整済み)~
低力価スタチン使用群:1.91(有意差あり)
高力価スタチン使用群:2.61(有意差あり)
フィブラート系使用群:1.64(有意差なし)

結論
“スタチンの使用は糖尿病の新規発症リスクを1.9~2.6倍高める可能性がある“

上記の報告は後ろ向きコホート研究によるものであり、各種抗コレステロール治療薬を飲み始めて約2年後に新規で糖尿病を発症した人数が、非服用群より高かったというデータを示していますが、その機序は不明です。

考察の中で筆者らは
・スタチンやフィブラートはいずれもグルコースに影響を与える薬であることが知られている
・血清アディポネクチンの増減が関与している可能性がある

という程度の考察にとどめています。
「日本人を対象とした“抗コレステロール薬の服用開始と糖尿病発症”に関するデータ」




スタチンとアディポネクチン濃度の関係

アディポネクチンとはインスリンを介さずにグルコースを細胞内に取り込む作用をもつ血中ホルモンの一つです。血中アディポネクチン濃度は内臓脂肪に逆相関すると考えられており抗コレステロール治療薬との関係について幾つか報告があがっていますが詳細なメカニズムは不明な点が多いホルモンの一つです。

抗コレステロール治療薬の服用を開始することと糖尿病発症率上昇に関する機序は以降の報告を期待したいところです。今回の報告を目にして、抗コレステロール治療薬の服用が原因となって(直接の引き金となって)糖尿病発症率が増えたという捉え方をする方がいるかと思います。特に患者様はこのように感じる方が多いのかもしれません。

一方で、「日常の“食べ過ぎ”及び“運動不足”が原因でコレステロール及び血糖値が徐々に増加している状況下においてコレステロールの薬が開始となったのでコレステロール値は抑えられてきたが、血糖値は抑えることができないため糖尿病の治療が開始となっただけ」という捉え方をする方もいるかと思います。

理由はともかくとして、”抗コレステロール治療薬を飲み始めると、2年後に糖尿病の薬を服用する可能性がプラセボ群に比べて2倍高くなる”という事実を、やんわりと患者様にお伝えすることは食生活を見直すきっかけとなり生活習慣病の予防へつながる感じがします。
「日本人を対象とした“抗コレステロール薬の服用開始と糖尿病発症”に関するデータ」




スタチンとアディポネクチン濃度の関係

新規で抗コレステロール治療薬を飲み始める患者様には上記の内容をそれとなくお伝えし、食事療法・運動療法の重要性が生活習慣病の予防になるという説明をしてみてもいいのかなと感じました。





コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村