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抗うつ作用を示すセロトニン3受容体の働き [抗うつ薬]

抗うつ作用を示すセロトニン3受容体の働き

2017年4月25日、大阪大学のチームは脳の海馬においてセロトニン3受容体がIGF-1の分泌を促すことにより海馬の新生ニューロンを増やすことで抗うつ作用を示すというデータを発表しました。
新しいうつ病治療につながるセロトニン3受容体




5HT3受容体(セロトニン3受容体)とIGF-1メカニズム
今回の報告の要点は
・海馬におけるセロトニン3受容体を発現している神経細胞がIGF-1を産生していることを発見しました。

(IGF-1(インスリン様成長因子-1)とは脳や肝臓などで生産される成長因子です。脳の海馬で生産されたIGF-1は神経幹細胞に作用して、神経新生を促進することが知られています。)

・セロトニン3受容体作用薬をマウスに投与すると、海馬のIGF-1分泌が増加します。すると神経幹細胞の分裂を促進されて新生ニューロンが増えます。その結果、「抗うつ効果がもたらされる」というメカニズムを大阪大学チームが発表しました。

セロトニン3受容体(5HT3受容体)に関する「作用薬」または「遮断薬」について薬価収載品を確認してみたところセロトニン5HT3をメインターゲットとする「作用薬」はありませんでした。一方「遮断薬」はあります。「吐き気止め」と「過敏性腸症候群治療薬」です。今回の報告をうけて、セロトニン3受容体遮断薬を長期間服用したときの「うつ病」症状への影響について念のためですが調べてみました。
新しいうつ病治療につながるセロトニン3受容体




5HT3受容体(セロトニン3受容体)とIGF-1メカニズム

セロトニン3受容体(5HT3受容体)遮断薬について

〜抗がん剤治療時に使用する吐き気止め〜
カイトリル・ゾフランなどの5HT3受容体拮抗薬は抗がん剤時の吐き気止めに使用されます。投与期間が非常に短い薬ですので、今回報告されたような「うつ病」に起因するような副作用は気にしなくていいかなと思います。

〜過敏性腸症候群治療薬〜
イリボー:大腸粘膜上にあるセロトニン3受容体(5HT3)を遮断することで効果を示します。うつ病への影響を確認したところ、大腸粘膜上で作用するイリボーは脳への移行量が極めて少ない薬(血漿中濃度の3~4%)であることがわかりました(ラットのデータ)。この理由は、イリボーがP糖タンパクの基質であるため、脳に取り込まれてもP糖タンパクの薬物排泄機能により脳外へ排出されてしまうためという報告があります。

イリボーによる副作用報告を確認してもて、うつ病に起因するような副作用報告が際立って多いという報告はありません。

「セロトニン3受容体作用薬とうつ病」に関する報告はありましたが、既存でセロトニン3受容体拮抗薬(5HT3拮抗薬)を服用している患者様に対して、とりわけどうこうすることはないかと思います。
新しいうつ病治療につながるセロトニン3受容体




5HT3受容体(セロトニン3受容体)とIGF-1メカニズム

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