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「抗微生物薬の適正使用の手引き第一版」が了承 [抗生剤]

「抗微生物薬の適正使用の手引き第一版」が了承

2017年3月27日、厚生労働省の厚生科学審議会感染部会で「微生物薬適正使用の手引き第一版」案が了承されました。
第2回厚生科学審議会感染症部会薬剤耐性(AMR)に関する小委員会




抗微生物薬適正使用の手引き第一版
内容は全45ページからなっており、風邪(急性気道感染症)と急性下痢には抗菌剤が不要であることと、その患者様への具体的な説明が記されています。

以下に概要を記します。

薬剤耐性菌とそれに伴う感染症の増加が国際社会で大きな課題の一つに挙げられている。不適切な抗微生物薬の使用に対する対策を講じる必要がある。

日本における抗微生物薬の使用量のうち92.4%が経口抗菌薬であり、経口の第3セファロスポリン系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬、マクロライド系抗菌薬の使用量が多いことが指摘されている。

~第3世代セファロスポリン系(経口用)~
メイアクトMS、セフゾン、フロモックス、バナン、トミロン、セフスパンなど

~フルオロキノロン系(ニューキノロン)(経口用)~
クラビット、シプロキサン、オゼックス、スオード、アベロックス、ジェニナック、グレースビットなど

~マクロライド系(経口用)~
エリスロシン、クラリス、ルリッド、ジスロマック、ジョサマイシンなど

○急性気道感染症(風邪として受診される病態)
・感冒
感冒に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する。

・急性鼻副鼻腔炎
成人では軽症の急性鼻副鼻腔炎に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する。
成人では中等症又は重症の急性鼻副鼻腔炎に対してのみ、以下の抗菌薬投与を検討することを推奨する
アモキシシリン水和物内服5~7日間

学童期以降の小児には、急性鼻副鼻腔炎に対しては、原則抗菌薬投与を行わないことを推奨する。
学童期以降の小児の急性鼻副鼻腔炎に対して、遷延性または重症の場合には抗菌薬投与を検討することを推奨する
アモキシシリン水和物内服7~10日間

・急性咽頭炎
迅速抗原検査又は培養検査でA群β溶血性連鎖球菌(GAS)が検出されていない急性咽頭炎に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する。

迅速抗原検査又は培養検査でGASが検出された急性咽頭炎に対して抗菌薬を投与する場合には、以下の抗菌薬投与を検討することを推奨する。
アモキシシリン水和物内服10日間

IDSAの指針では軽症のペニシリンアレルギーがある場合には経口第1世代セフェム系抗菌薬のセファレキシンが、重症のペニシリンアレルギーがある場合にはダラシンが推奨されています。

・急性気管支炎
成人の急性気管支炎(百日咳を除く)に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する。

JAID/JSCおよびCDCの指針では百日咳に対してはマクロライド系抗菌薬が第一選択とされております。

医師から患者への説明例が4例ほど記されています。
第2回厚生科学審議会感染症部会薬剤耐性(AMR)に関する小委員会




抗微生物薬適正使用の手引き第一版
薬剤師から患者への説明例:抗菌薬が処方されていない場合の例
あなたの「風邪」には、医師による診察の結果、今のところ抗生物質(抗菌薬)は 必要ないようです。むしろ、抗生物質の服用により、下痢等の副作用を生じることが あり、現時点では抗生物質の服用はお勧めできません。代わりに、症状を和らげる ようなお薬が医師より処方されているのでお渡しします。 ただし、色々な病気の最初の症状が「風邪」のように見えることがあります。 3 日以上たっても症状が良くなってこない、あるいはだんだん悪くなってくるような 場合や、食事や水分がとれなくなった場合は、もう一度医療機関を受診するように してください。

○急性下痢症
軟便・水様便が1日3回以上増加している状態。吐き気・嘔吐・腹痛、腹部膨満、発熱、血便、しぶり腹(テネスムス)を伴うことがある。

ウイルスに起因する急性下痢症と細菌に起因する急性下痢症がある。

・治療方法
急性下痢症に対しては、まずは水分摂取を励行した上で、基本的には対症療法のみ行うことを推奨する。

JAID/JSCの指針では重症例又は海外渡航歴のある帰国者の急性下痢症である場合を除いては抗菌薬投与は推奨されていない

JAID/JSCの指針では、以下の場合には抗菌薬投与を考慮することとされている。
・血圧の低下、悪寒戦慄などの菌血症が疑われる場合
・重度の下痢による脱水やショック状態などで入院加療が必要な場合
・菌血症のリスクが高い場合
・合併症のリスクが高い場合(50歳以上、人工血管、人工弁、人工関節)
・渡航者下痢症

小児における急性下痢症の治療でも、抗菌薬を使用せず脱水への対応を行うことが重要とされている。

医師から患者への説明例が2例記されています。
第2回厚生科学審議会感染症部会薬剤耐性(AMR)に関する小委員会




抗微生物薬適正使用の手引き第一版
薬剤師から患者への説明例:急性下痢症の場合
医師による診察の結果、今のところ、胃腸炎による下痢の可能性が高いとのこと です。これらの急性の下痢に対しては、抗生物質(抗菌薬)はほとんど効果があり ません。むしろ、抗生物質の服用により、下痢を長引かせる可能性もあり、現時点 では抗生物質の服用はお勧めできません。 脱水にならないように水分をしっかりとることが一番大事です。少量、こまめな水 分摂取を心がけてください。単なる水やお茶よりも糖分と塩分が入っているものの ほうがよいです。 便に血が混じったり、お腹がとても痛くなったり、高熱が出たり、水分も取れない 状況が続く際は再度医師を受診して下さい。

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