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3.シップ(貼り薬)だけがDo処方で続く患者さんへの薬歴 [薬歴]

3.シップ(貼り薬)だけがDo処方で続く患者さんへの薬歴

整形外科の門前薬局で働いていると、モーラステープやロキソニンテープ(パップ)、セルタッチパップ(テープ)など貼り薬のみを長期にわたり使用している患者さんを多く見かけます。前回、前々回とこのブログで記載してきましたが、厚生局が求める「副作用の事前回避」という観点から投薬・薬歴をするのであれば、貼り薬だけを長期間使用している患者さんへの「SOAPプロブレム」は限られます。その結果、薬歴には「かぶれなし」というゴールデンワードが頻回に登場してきます。そこで貼り薬の薬歴に関しては、バリエーション(言葉の選択肢)を増やすという観点で具体的な薬歴例を記してみます。

まずはじめに、各種貼り薬(モーラス、ロキソニン、ボルタレン、セルタッチ、ヤクバン、フェルナビオンなど)の副作用を確認してみます。

~皮膚に関する副作用~
掻痒、紅斑、皮疹、皮下出血、皮膚刺激、色素沈着、浮腫み、水疱、光線過敏症、ヒリヒリ感、かぶれ、皮膚剥脱

~皮膚以外の副作用~
ロキソニンテープ:胃不快感、上腹部痛、下痢、軟便、肝機能上昇
モーラステープ:眼瞼浮腫、顔面浮腫

貼り薬の副作用を調べてみると、ロキソニンテープとモーラステープには皮膚トラブル以外の副作用が記載されていますが、それ以外の貼り薬には皮膚トラブルの副作用しか記載されていませんでした。おそらくですが、どの貼り薬も1枚~2枚程度を毎日貼付する想定で使用するのであればNSAIDS特有の胃に関する副作用は出にくいのかとは思います。しかし貼付する枚数が増えると体内AUCも増えることから皮膚トラブル以外の副作用がでる可能性はゼロではないと思います。

以前、私のブログではモーラステープやロキソニンテープを1日何枚まで貼れるか」というテーマについて、外用薬と同じ成分の内服薬の体内AUCを指標に、外用薬の使用枚数へAUC換算をして具体的に何枚まで貼ることができると計算したことがあります。
貼り薬は1日何枚まで貼ることができるのか





上記手法を使って、内服薬1錠に相当する貼り薬の枚数を計算してみると
モーラステープL40mg:4枚を24時間貼付=ケトプロフェン坐剤75mgを1本使用した時のAUC
ロキソニンテープ100mg:10枚を24時間貼付=ロキソニン錠60mg1錠を使用したときのAUC
ボルタレンテープ30mg:3枚を24時間貼付=ボルタレン錠25mgを1錠使用した時のAUC

と計算することができます。モーラステープL40mg4枚やボルタレンテープ30mg3枚を貼付する患者さんは多々いるかと思います。とり越し苦労かもしれませんし、薬歴を書くための口実と捉えられるかもしれませんが、念のため患者さんに1日何枚使用しているかを確認して(来局間隔とシップ処方量を把握して)、貼り薬の種類を問わず1日4枚以上使用している患者さんには胃部不快感や肝機能上昇の副作用に関する説明・薬歴記載を行うことは「副作用を未然に回避する」仕事だと私は考えます。

次に皮膚トラブルに関する薬歴について検討します。私は皮膚トラブルを細かく書き分けることがバリエーションアップにつながるのかなぁと考えます。
1:かゆみ:掻痒、皮疹、湿疹、
2:皮膚変色:皮下出血、色素沈着
3:痛み:ヒリヒリ感、皮膚刺激、皮膚剥脱
4:それ以外:光線過敏症、水疱など・・
と分類して薬歴を書いてみます。

~Do処方が続く貼り薬(シップ薬)をお渡しした時に伝える(薬歴に記載する)内容について~

・初回お渡しするときはアスピリン喘息ではいことを確認します
・定期的に1日の使用枚数を確認します(来局間隔と貼り薬の処方枚数から換算します)

~1日使用量が4枚以上であれば~
・使用枚数が比較的多い場合は、同じ成分の飲み薬1錠分を使用した時と同じくらいの薬成分が体に入ることがあります。貼り薬を長期間使用している場合は、念のためではありますが慢性的な胃の痛み、胃の不快感を感じていないことをご確認ください。何か自覚症状があれば先生に伝えましょう。

・定期的に採血検査をしていれば問題ないのですが、しばらく検査をしていない患者さんの場合、つかれやすさ、食欲低下、飲酒量の低下などの症状を慢性的に感じることがあれば早めに先生に相談しましょう。(肝機能障害の前兆を確認する目的です)

~皮膚トラブルに関する内容~
・個人差はありますが1日中貼付し続けると、貼付部位やその周辺が赤くなったり、かゆくなったりすることがあります。皮膚への貼付時間が長すぎることが原因と思われますので早めにはがすことをお勧めします。はがすときはぬるま湯に浸してからはがすと皮膚への刺激が少なくて済みますよ。かゆみが強い場合は早めに主治医に伝えましょう。

・個人差があり、頻度は少ないのですが、貼り薬を使用すると貼付部位に軽い内出血が生じる場合があります。貼付部位およびその周辺の血液がサラサラになるために生じる(低用量アスピリン効果)症状の可能性があります。特に血液サラサラの薬を飲んでいる患者さんの場合はリスクが増えるかもしれません。内出血が広範囲に生じる場合は主治医に伝えましょう。

・個人差があり、頻度は少ないのですが、貼り薬を使用すると貼付部位が黒ずむことがあります。これは貼り薬に限ったことではなく、保湿クリームや化粧品でも起こりうるのですが、肌に合わないと体が判断すると体の防御反応として黒色のメラニン色素を作り出して体を守ろうとするシステムがカラダ本来の機能として備わっているために生じます。貼付部位に発疹や赤色が続く場合は早めに主治医に相談しましょう。

・長時間貼付しているとヒリヒリとした痛みを感じる人がいます。薬の成分やシップの基剤による皮膚への侵襲が原因と考えられます。早めにはがして皮膚表面の刺激を回避しましょう。はがした後は保湿クリームを塗ると皮膚を保護できます

・テープ剤は粘着力が強いという特徴があります。剥がすときに無理に剥がすと皮膚を痛めることがあるので、ぬるま湯に浸してから剥がしたり、湯船の中で剥がすことをお勧めします。


シップ薬(貼り薬)に関する投薬や薬歴は単調になりがちですが、使用方法や留意点を見直して副作用なく上手に使い続けていただきたいと私は思っております。
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